ブログ一覧
電車遊びも変わります
確か、3歳の頃は牛乳パックをセロテープでつなげたものを電車として見立て、遊んでいたことが多かったと思います。しかし、今日は大型積み木を使って、押して走る電車を作って遊んでいました。
三角と四角の大型積み木を上手に組み合わせ、電車らしいフォルムを作っていることはもちろんのこと、色画用紙をカットし、電車のスイッチや数字を貼り付けている点にも「なるほど~」と感心させられました。
手先で遊べるものから、全身で遊べるものを自分なりに工夫して作り、遊んでいく姿は成長を感じますよね。もしかすると、年長5歳児になる頃は「本当に乗れる電車を作りたい!」なんて言い出すかもしれませんね。今から楽しみです!
おやつもおいしいね!
ただ、わずか2時間とは言え、同じ遊びをずっと続けているわけではありません。まぁ、5歳児でも同じ遊びを集中して続けるのは長くても1時間程度と言われていますから、自然な姿ではありますよね。
また、まだ自分からトイレにいけないケースも見られます。
そこで、担任は遊びが区切りとなるタイミングを捉え、おやつの時間を作っています。ささやかなものですが、子どもにとっては楽しみのひとつになりつつあるようです。
「家では食べないのに、すご~い!」
保護者の方から、そんな驚きと喜びの声も聞かれました。
「たかがおやつ、されどおやつ!」
こうした体験も、少しずつ世界が広げるキッカケとなることでしょう。楽しみにしたいですね。
お花見をしました
張り切る年長さん
初日の人気は砂場とブランコ
朝、新入園の子どもたちがお母さんと別れる際の「泣き」は想定内。
でも、別れた後は保育者が丁寧にサポートする中、好きな遊びを始めていましたよ。
そんな中、初日に人気があった遊びは砂場とブランコ。一人一人が自分のペースで遊べるからでしょうかね・・・。砂を掘ったり、水を運んだりと、いろいろな遊び方が見られました。保育者にこいでもらったブランコも楽しかったようです。
そうそう、兄弟姉妹が在園しているケースでは、5歳児がやさしく遊んであげる姿も見られました。さすが、お姉さんですね。
もちろん、しばらく山あり谷ありの毎日が続くと思いますが、まずは一人一人が「やりたい遊び」が見つけられるよう、しっかりサポートしていきたいと思います。それが、楽しく通園する原点ですからね!
これからも、よろしくお願いいたします。
桜の下で入園式
2024年度がスタート
2023年度が修了しました
もちろん、預かり保育「スキップ」は3月中も実施しておりますが、幼稚園としての「教育課程」に基づく正規の保育期間は、本日をもって修了となり、春休みに入りました。
ただ、在園児にとっては「終わり」よりも「始まり」を強く意識する時となったようです。
卒園式が終わった後、“今度は自分たちが年長さん、年中さんになるんだ”という気持ちも高まっていましたから、修了式前から、私に「新しいバッチをください!」とリクエストする姿もたくさん見られました。
そして、ホールでの修了式で、いよいよクラス担任から新しいクラスのバッチをつけてもらうと満面の笑み。進級することも実感できたようです。
4月からの新年度、活気あふれる姿が見られることでしょう。楽しみです。
70回目の卒園式を終えました
さて、本園の卒園式は教職員はもとより、在園児、そして卒園児の保護者全員で卒園児をお祝いします。
具体的にはおめでとうの気持ちを込めて、歌のプレゼントを行います。特に、卒園児のお母様方は「思い出のアルパム」をアレンジし、園生活の歩みや成長ぶりをご披露してくださいました。とってもステキでした。
卒園児もそれに応えるように、式の最後にはサプライズでお母様にカードをプレゼント。とても感動的なやりとりでした。
式が終わった後は、在園児の保護者も園庭にかけつけ、最後のお別れをしてくださいました。こうしたアットホームな雰囲気も本園らしさと言えるかもしれません。
卒園児は4月から小学生。飛躍を期待したいと思います。
ジャガイモ畑を引き継ぐ
その際、1年前のことを思いだし、ジャガイモ植えを一緒にすることにしました。昨年の年長さんと一緒に植えたジャガイモは「お泊まり会」の時にカレーライスに入れ、おいしくいただきました。そんな楽しかった体験を、4月から年長組になる4歳児にも味わってほしい、と考えたわけです。とっても良い考えですよね。
植え付けに際しては、灰をジャガイモの断面につけることや、やさしく土をかけてあげることなどを丁寧に教えてあげていました。
ただ、手取り足取りといった感じではありませんでした。4歳児が自分でできるようであれば、サッと手を引き、任せていく。つまり、年下のお友だちの気持ちを優先する姿もたくさん見られました。こんな姿にも成長を感じます。本当に大したものです。
ドッチボールがおもしろい!
劇でお別れ
卒園を間近に控え、1年間、折に触れ、関わり合ってきた年下のお友だちに向け、「アリガトウ」そして「サヨウナラ」の気持ちを込めた会となりました。演し物はみどり組が「さるかに」と「とんぼのうんどうかい」、きいろ組が「さるかに」と「ブレーメンのおんがくたい」でした。
ちなみに、本園の劇は立派な舞台で披露するかたちは取らず、日頃、生活している保育室内、つまり平場で行うフロア劇です。
また、保育者が演目や役決めを行い、毎日、家庭を巻き込んで練習を行う、といったかたちも取りません。保護者の方に衣装作りなども求めません。その意味で「演劇」「劇活動」というより、「劇遊び」あるいは「劇ごっこ」といった感じです。ですから、観客に「見せる」ことより、ストーリーや役どころを踏まえ、互いに「やりとりを楽しむ」姿がたくさん見られました。
見る人によっては物足りなさを感じるかもしれませんが、幼児らしさがよく表れていると思います。こうした年長児の姿は、きっと4歳児、3歳児にも受け継がれていくことでしょう。楽しみにしたいものです。
高尾山遠足に行ってきました!
卒園を間近に控え、クラスメートや教員たちとの思い出となることを願うとともに、成長を実感する機会として「ジャングルまつり」や「わんぱくまつり」などと同様、保育を大改革した約40年前から取り入れた行事です。
そのため、7つある登山コースの中でも、最も「健脚度」が高い「稲荷山コース」(見晴らし尾根コース)3.1Kmを登りました。今年は工事があり、途中、6号路(びわ滝コース)に迂回しましたが、様々な難所を乗り越え、みんな頑張って登り切りました。本当に大したものです。
無事、山頂に到着し、お昼ごはんをいただいた後は、いよいよ下山。途中、薬王院や天狗の腰掛け杉などにふれ、楽しみにしていた天狗様とのやりとりも楽しんでいました。
ケーブルカーの高尾山駅に到着し、「あおば号」に乗車し、帰路につきました。この体験を自信につなげ、小学校生活を楽しんでほしいものですね。
夏みかん大収穫
ただ、例年、食べてみても、かなり酸っぱく、小さい子どもには不向きな果物と思っていました。そのため、今年も保護者の方には「マーマレードならいけるかも」と声をかける程度に留めていました。
ところが、持ち帰った保護者の方々から「全然、酸っぱくなく、おいしく食べられました」と意外な反応がありました。確かに味見してみると、なかなかいけるではありませんか。今年は暖かいからでしょうかね・・・。
そこで、屋根に登るなどして、手の届く範囲の夏みかんをできる限り収穫し、保護者の方に持ち帰っていただきました。少なくとも180個は採れたと思います。
すると「砂糖や蜂蜜をかけて食べた」「ジャムやゼリー、ジュースにした」など、おいしくいただいた工夫がたくさん聞かれました。「また採って!」というリクエストもたくさんいただきました。
まだまだ上の方にはたくさん実が残っていますが、手が届かず、あとは完熟し、落ちてくるのを待つだけになりそうです。3月の預かり保育の手作りおやつにも「幼稚園の夏みかん&オレンジゼリー」を提供する予定です。おいしく食べてくれるといいな~!
コマに挑戦!
ちなみに、4歳児はブリキゴマ、5歳児は木製の大山ゴマをサンタさんからいただきました。大山ゴマは、江戸時代から「大山信仰」として有名な神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社を参詣した際の土産物として広まった伝統ある郷土玩具です。横浜市の金井幼稚園の園長先生にご紹介いただき、本園も長く使っています。ただ、近年は後継者不足で正式な物が手に入らず、少し残念です。伊勢原市も大山ゴマの製作技術を市の無形民俗文化財に指定し、技術の継承と後継者の育成を図っているそうです。今後に期待したいですね。
さて、コマまわしの方は、先生はもとより、子ども同士でも教え合い、回せる子どもも増えています。また、手乗りなど、いろいろな技に挑戦する姿も見られています。
コマは基本的に個人で技を身につけることで楽しめる遊びです。3学期に入り、もくもくとコマにひもを巻き、失敗しても投げ続ける姿を見ていると、課題にしっかり向き合い、努力していく大切さを身につけているように感じます。こうした姿こそ「たくましい」と言うべきものなのでしょうね。あきらめず、粘り強くチャレンジする姿を、お家でも応援してあげて下さいね。
憧れの魔法使い
私「それ何?」
A「まほうのステッキ!」
B「まほうのつえ!」
C「つえ!」
どうやら、魔法使いになったようです。
D「マイク!」
私「えっ?マイク?」
A「ちがう、ちがう。つえでしょう。」
D「あ~そうだ。つえ」
Dちゃんの思わぬ発言に、私もお友だちもビックリしましたが、Dちゃんもすぐにニッコリと発言を修正。無事、全員で魔法使いとして、私の目の前に登場できたようです。
A「魔法かけるよ!」
全員「かけるよ。エイ!」
ステッキ(つえ)を振りながら唱和するものの、何の魔法をかけたかまではわかりません。この辺が3歳児といったところでしょうか。
でも、それを聞くのもヤボなので、踊ったり、寝てみたりしました。一番ウケたのは、忙しく動いてみることでした。担任が「お昼だよ~」と呼び来てくれて一区切りとなりましたが、そうでなければ、ず~っと遊ばれていたでしょうね・・・。
でも、遊びの道具を自分で作った上に、4人で憧れの存在になりきるごっこ遊びを共有していくなんて・・・、本当に成長したものです。これからも、きっといろいろと変身していくのでしょう。楽しみですね。
「アニミズム」でしょうね
ひとつだけかな?と思っていたら、プラパックにも松ぼっくりが3つ入っていました。見ると、色や大きさが違う松ぼっくりがキレイに並べてありました。かわいらしいドングリも、ひとつ添えられていました。
A「これがデカボックリで、これがチュー
ボック、これがチビボックリ。そして
これがドングリボックリ!」
確かに、松ぼっくりの大きさは見事に大・中・小となっています。「デカ」「チュー」「チビ」といったネーミングはピッタリですよね。
ただ、Aちゃんはヒダが開いていない松ぼっくりも見つけていました。乾燥がうまくいかず、ヒダが開かず、種を飛ばす前に落ちてしまったのかもしれませんね・・・。
でも、それが魅力的だったのでしょう。ヒダが開いている松ぼっくりは「デカ」「チュー」「チビ」とネーミングしたわけですが、形状が異なるこの松ぼっくりをAちゃんは「ドングリボックリ」と名付けたわけです。隣にドングリが添えられているのも、友だちだからのようです。なんて素晴らしいセンスでしょう。本当に感心しました。
同時に、友だちとしてドングリを添えている感覚は「アニミズム」とも言えるだろうと感じました。
「アニミズム」は有名な発達心理学者であるJ・ピアジェが、幼児期の発達特性として指摘したものです。生き物ではないものにも、人間のような思考や感情があると捉える姿を指します。幼児らしさのひとつですよね。こうした姿に共感してあげることも、大人の大切な役目かもしれませんね。
地図を持って冒険だ!
まぁ、5歳児くらいになっても、ひとつの遊びに集中して取り組むのは長くても1時間程度、と言われています。(もちろん個人差、また状況次第といったことはありますが・・・)それだけに、3歳児の遊びがめまぐるしく変わることはよくあることです。
ただ、そうであれば、2人は離ればなれになってもよさそうです。でも、2人はずっと一緒でした。状況をつかめなかった私は、邪魔になることをいとわず、聞いてみることにしました。
A「ちじゅ」
私「エッ、何?」
A「ち~じゅ」
私「チーズ?」
A「違うの!これ、これ!」
聞き取れない私にAちゃんが見せてくれたのが、下の写真の地図でした。残念ながら、描かれている内容までは理解できませんでしたが、どうやら「ちじゅ(地図)」を片手に、2人で園庭をあちこち冒険している、ということのようです。だから、ひとつの場所に留まることはしなかったわけです。
その後も2人はジャングルジムや、くもの巣ネット、太鼓橋などにチャレンジしていきました。言わば、固定遊具を順にめぐり、クリアしていく「サーキット遊び」のようです。入園当初では考えられなかった遊び方ですね。それだけ体が自由に動かせるようになっている、ということでしょう。たいしたものです。
ただ、切り株では互いに向かい合って登ったことで、ドンジャンケンのような遊びも始めていました。体を使うだけでなく、ルール遊びの楽しさも味わっているようです。遊びの幅を広げているわけですね。
“まだ3歳児、されど3歳児”といったところでしょうかね~。
節分・豆まき・鬼退治!
11時にホールに集合し、まず私から節分や豆まきの意味を伝えました。
「節分」は季節を分ける節目であること。
特に2月4日が「立春」となるため、その前日となる2月3日は、厳しい冬から暖かな春を迎える節目として昔から盛大に祝ってきたこと。
さらに、季節の変わり目は体調を崩しやすく、その原因を鬼の仕業と考えた昔の人々が、病魔である鬼を退散させる方法として「豆まき」をしてきたことなどを伝えました。
そうそう、なぜ鬼に豆を投げるかについても、邪気を放ち、「病魔」となる鬼をやっつけるためには「目くらまし」が一番と考えたから、といったことも伝えました。つまり昔の人は「魔(ま)」「目(め)」から、鬼退治には「豆まき」が効果的と考えたわけです。
私の話はいつも難しいのですが、今回も子どもたちはよ~く聞いていましたよ。
その後、子どもたちは手作りの袋に豆を入れ、自分たちの保育室の前で「鬼は外」と元気に豆まきをしました。もちろん「福は内」も忘れてはいませんでしたよ!
なお、年の数だけ豆を食べることは、喉を詰まらせてもいけませんから、お家でのお楽しみにしました。(消費者庁も窒息・誤嚥事故の代表例として注意喚起をしています)
節分本番用に、おみやげとして豆を持ち帰りましたので、明日は各家庭で「鬼は外、福は内」を楽しんでくれることでしょう。年の数だけ豆を食べることも、親御さんのもとで、ゆっくり、落ち着いて進めてほしいものですね。本園が使っている豆は「国産の煎り大豆」ですから、きっとおいしいはずです。
「ケータイ」を作ったそうです
A「ケータイだよ!」
見せてもらうと、確かにいわゆる「ガラケー」と呼ばれる折りたたみ式の携帯電話のようです。“今時、ケータイ?”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、スマホになじめず、いまだにガラケーを使っている私としては、なんだかうれしくなってしまいました。
しかし、Aちゃんの親御さんをはじめ、昨今の子どもが目にするものは、タッチパネル式のスマホですよね・・・。どうして、ガラケーなのでしょう・・・?おじいちゃん、おばあちゃんがまだガラケーなのかな・・・??
そう言えば、以前のブログで(6/11ブログ「1年生、楽しいネ!!」参照)、幼児期後半から小学校低学年期には「これはこう」といった概念が形成され、その特徴は絵画などによく表れる、と書きました。写実ではなく、自分なりに物事に共通する性質を抜き出し、そのイメージで表現を進めるわけです。Aちゃんも、自分なりに概念化した「携帯電話」を表したのかもしれません。成長を感じますね~!!
ただ、ケータイの中を見せてもらうと、画用紙を何枚も重ねているので、モニター画面は共通ですが、紙をめくるごとにプッシュ番号やアスタリスクが書かれています。おそらく、ケータイの機能をひめくり式に表しているのでしょう。
このように、Aちゃんは外見、つまり「形態」は概念化したイメージですが、「機能」は実物に似せようとしているようです。幼児期後半になると、いわゆる「カタチ(形態)」だけでなく、製作物の「働き(機能)」にも目を向け、具現化しようとします。これも成長している姿です。
製作というと、大人は見た目が本物らしいかどうかで評価しがちですが、子どもが生み出すものはそんなに単純ではありません。Aちゃんの姿から、改めて、気づかせてもらいました。
第1回新入園児保護者会を行いました!
今まで入園説明会や園見学、プレ保育などで何度かお会いした方もいらっしゃいましたが、“いよいよ入園”を前提にお話することとなり、正直、私も緊張してしまいました。
でも、一番緊張されていらっしゃるのは、保護者の皆様ですよね。
特に、本園をはじめて利用される方々は、4月までにどんな準備をしたらよいか・・・、わが子は無事、入園していけるのか・・・などなど、不安がいっぱいでしょう。2月末には第2回目の保護者会も予定しておりますので、その際に丁寧にお話をしていきたいと思います。また、教員からだけでなく、在園児の保護者の方にもご協力いただき、ご準備いただく持ち物などが具体的にイメージが持てるよう、説明させていただく予定です。
もちろん、保護者会以外でも、ご心配な方には個別に対応していきます。4月、よいスタートがきれるよう、全力でサポートしていきたいと思います。
「おもちつき」だよ!
ちなみに、タライはドロンコ遊びなどで汚れた手足を洗うためのものです。
ですから、遊び道具でないことを伝えようかな~と思ったのですが、夢中で砂をこねたり、たたいている姿を見ると、ためらってしまいました。
そんな雰囲気を感じたのか、Aくんの方から、何をしているかを教えてくれました。
「おもちつきしてるんだ!」
想像していたことと違い、私もびっくり。
でも、すぐに先週末、おもちつき会があったこと。そして、Aくんのお父さんとお母さんがおもちつきを手伝いに来たくださっていたことを思い出しました。
そうなんですよね~。子どもは印象深いことがあると、それを再現したくなるもの。憧れの存在やふるまいに出会うって、本当にステキなことなんですよね。これからも興味・関心がたくさんひろがる体験を大切にしていきたいものですね。
創立記念日によせて
以前のプログ(12/7「立川国際中・附小に行ってきました」)にも書きましたが、本園は1954(昭和29)年4月から、立川国際中等教育学校附属小学校が建つ土地で保育をスタートしました。ですから、今年で70年目を迎えるわけです。
ちなみに、立国附小の土地は立川市曙町です。現在、国立市北にある本園が「なぜ東立川幼稚園なの?」という質問を時々いただきますが、スタートが立川市内だったことが理由です。
また「どうして1月12日が創立記念日なの?」という点については、本園の母体であった立川短大が東京都に移管され、現在の東京都立大学になる中、幼稚園が独立し、現在地に新園舎を落成させたのが1961(昭和36)年1月12日だったからです。つまり、本園の創立記念日は、現在地で第2のスタートを切った日なのです。詳しくは『未来を担う子どもへ~東立川幼稚園創立50周年記念誌』をご参照ください。
今後も先人たちの意志を継ぎ、「子どもを中心とした保育」を大切にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
おもちつきと獅子舞
年末に餅つきをするケースも多いと思いますが、本園は年明けが恒例。理由は、新年とともに、「創立記念日」(1/12)のお祝いも兼ねるからです。
今年はコロナ禍で控えていた子どもによる餅つきも復活しました。3歳児は3回、4歳児は4回、5歳児は5回と、年の数だけ杵をつきました。保護者の皆様のご協力もいただき、上手に仕上がったお餅は、きなこ・あんこをつけ、おいしくいただきました。ごちそうさまでした!
餅つきの後は、ホールに集まり、こちらも毎年恒例となっている獅子舞鑑賞をしました。演じて下さったのはあきる野市留原(とどはら)地区の「留原囃子保存会」の皆様。
3・4歳児の中にはこわがる子どももいましたが、獅子舞はそこが醍醐味。ちなみに、獅子は邪気を払うと言われ、獅子が「噛みつく」ことは「神付く」として、とても縁起が良いとされてきたそうです。今回泣いていた3・4歳児も、5歳児たちのように、来年は進んで噛んでもらえるようになるといいですね。
3学期始業
さて、始業式では、まず1月1日に発生した「能登半島地震」のことにふれました。知っている子どもたちも多く、被災された方々へのお見舞いとともに、一日も早い復興を願いあいました。
次に、楽しかったお正月の中から、おせち料理の話題を取り上げました。
具体的はイラストを使い、伊達巻きやエビ、黒豆、田作り、栗きんとん、数の子、かまぼこなどを食べる意味を伝えました。意外に知ってる子どもも多く、例えば、田作りは畑の肥料として活用されてきたカタクチイワシを使った料理であり、豊作を祈るために食べること。また、エビは長寿を願うため、といったことなどを知っていました。きっと、親御さんが、日頃から話題にされているのでしょう。家庭の雰囲気は子どもの視野を大きく左右します。今後も、教養豊かなやりとりを大切したいものですね。
預かり保育も終了、 良いお年を!
今年は冬のわりにはあたたかい日が続き、子どもたちも外遊びを楽しめたようです。あまりに寒いと、わが園の元気な子どもたちでも外に出るのをためらいますからね。
ただ年末ということもあり、人数は多い日でも9人でした。そのため、5歳児のAくんはボール遊びや鬼ごっこを行っても、イマイチ盛り上がらない様子。
A「今日は少ないもんな・・・」
そんなつぶやきに保育者が共感すると、Aくんは普段、お友だちがたくさんいることの楽しさを思い出したようです。
子どもを良い状況にいざなうことは保育の基本だと思いますが、そればかりが子どもを成長させるわけでもないようです。問題・課題に出会うからこそ、子どももいろいろ考えてみる、ということなのでしょう。そこから、工夫も生まれてくるかもしれませんね。
では皆様、良いお年を!
2024年も、よろしくお願いいたします。
「おたのしみかい」で2学期修了
さて、2学期は「おたのしみかい」でしめくくりとなりました。「おたのしみかい」はクリスマスをテーマに、大人が子どもたちをお客様として招き、その名の通り、半日、楽しんでもらうパーティ-です。
会は、5歳児手作りのローソク立てに、本物のキャンドルを灯すところからスタートしました。幻想的な雰囲気、とてもステキでした。
次は教師劇。照明も使い、毎月の誕生会で行う劇よりも本格的なものを披露しました。
その後は、いよいよサンタさんの登場。子どもたちは園長だろう・・・と思っていたようですが、照明係をしていた私を見て「本物だ」と驚いた様子。シメシメです。
そして、トリはコーラスサークルのお母さんたち。美しいハーモニーはもちろんのこと、手話やパネルシアターなどの演習もあり、子どもたちも魅了されていました。ありがとうございました。
最後は各保育室に戻り、おいしいマドレーヌを食べ、降園となりました。良い思い出になってくれるといいな~。
「遊び」のような、「しごと」のような
見れば、やっていることは大体わかるのですが、念のため、聞いてみました。
私「何してるの?」
A「おそうじだよね~」
B「キレイにするんだもんね~」
やっぱり、小屋をキレイにそうじしていたようです。誰も頼んではいないのですが・・・。
ということは、これは「遊び」ではなく、そうじという「しごと」をしていることになるのかな・・・??
オモチャではなく、本物のホウキを使い、水でぬらして小屋の壁の汚れを落としている姿を見て、そんな疑問がわいてきました。
C「ペンキもぬろうか?」
A・B「いいね!ぬろう!ぬろう!」
3人は、そんなことを言いながら、ホウキにたっぷり水をつけ、またまた小屋の壁をこすっていきました。
エッ?ペンキ? でも、ホウキにつけているのはただの水。ということは、やっぱり、これは「遊び」なのか・・・? 疑問はさらにふくらみました。
幼児の場合、食事や入浴などの際、大人から見ると「遊んでる・・・」と感じることがあります。そのため「遊んでないで、早く食べて!」とか、「遊んでいるなら、もうお風呂出なさい!」などと、小言を言ってしまった、という親御さんも多いかもしれません。(子どもも負けずに「遊んでないもん!」と言い返すこともありますが・・・)
ところが、幼児は大人ほど「遊び」と「基本的な生活習慣」場面を区別しません。ですから、ある研究者は「小さい子どもは、起きている間、ずっと遊んでいる」などと評しているわけです。
でも、今回の5歳児の姿は「遊び」と「しごと」の区別もはっきりしていないことに気づかせてくれました。幼児の世界は大人から見ると不可思議で、なおかつ、わかりにくいものです。だからこそ、おもしろいんですよね~。
広がる「見立て」
入園直後から園庭を走らせていましたが(5/18ブログ「お友だちができたかな・・・?!」参照)、2学期になっても人気は衰えません。男の子を中心に、乗り物好きな子どもたちがたくさんいるからかもしれませんね。
“飽きないの・・・?”
そんな声も聞こえてきそうですが、好きなことを繰り返し楽しむ姿は、大人だって珍しいことではありませんよね。こうした姿を心ある保育者は「遊び込み」と捉え、とても大切にしています。遊び込むからこそ、得られるものもたくさんあるわけですからね~!!
そんな3歳児が「わんぱくまつり」で空き箱製作を楽しんだことをきっかけに、身近にある空き箱を使い「見立て」の世界を広げています。
ティッシュペーパーを何個もつなげ、電車ごっこを楽しんでいるのもそのひとつです。
大人から見れば、箱をただつなげただけ・・・ということになるでしょうが、作っている子どもたちにとっては、電車が走るシーンや電車同士の交差を思い浮かべているようです。運転手や乗客になっている自分もイメージしています。
一輪車は既製品ですが、空き箱の電車は自分で作り上げたものです。想像力が豊かになっているからこそ、楽しめる遊び方と言えるでしょう。
ただ、「本物らしく」作ることへの興味はあまり高くありません。「使って遊ぶ」ことを重視している、と言えそうです。
「見立て」を広げ、製作を楽しんでいるからといって、関心を向けるポイントは一様ではありません。そんな一人一人の「こだわりの違い」も大切にしていきたいものですね。
保護者の会主催「お楽しみ会」大成功!!
土曜の午前中ということもあり、在園児はもちろんのこと、卒園児・未就園児の親子約150名が集ってくださいました。
前半の「お楽しみ会」では「人形劇」「わらべうた」「コーラス」の各サークルのお母さんたちが日頃の成果を存分に披露してくださいました。加えて、卒園児によるかわいらしい演し物や、有志の親子による歌と演奏、ベリーダンサーとして活躍されている現役保護者によるダンス披露などもあり、大変盛り上がりました。さながら、保護者による“文化祭”といった感じでした。本当に楽しく、素晴らしかったです。
後半の「みんなのO円マーケット」では、まだ使える子ども服やおもちゃなどが提供され、必要な方が持ち帰られていました。まさに「ひとにも地球にやさしい循環が生まれるイベント」そのものでした。保護者同士の交流も深まったようです。
企画・準備・片付けを担ってくださった保護者の方々をはじめ、参加してくださった親御さん、そして子どもたち、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
やきいもパーティだ!
サツマイモ掘りに行った後(10/25ブログ「おいも、大収穫!」参照)、園にも少し残しておき、みんなで「やきいもをしよう!」と約束していたことがようやく実現したわけです。
どうして今頃って??
それは、農家のSさんが「1ヶ月くらい干すとおいしくなるよ」と教えてくれたからです。
ただ、「やきいも」にはもうひとつ必要なものがあります。落ち葉です。
園庭には落葉樹がたくさんありますから、子どもたちは「やきいも」のため、毎日毎日「落ち葉集め」にいそしみました。この日までに夏に遊んだ大プールぐらいは集まったのではないでしょうか。そこで、いよいよ「やきいも」となったわけです。
数日前から、近隣の方々にも「やきいも」のため「たき火」をすることをお知らせし、ご理解もいただきました。本当に感謝です。
えっ?肝心の「やきいも」の感想ですか・・・?
それはもう「ウマ!(うまい)」「アマ!(甘い)」の大合唱でした。本当にごちそうさまでした。
立川国際中・附小に行ってきました。
ちなみに「学校運営連絡協議会」とは、東京都教育委員会によれば、協議委員に「学校の取組内容や日常の教育活動を把握してもらい、学校との意見交換の中で、助言や意見をしてもらう」ものだそうです。
附属小学校は昨年度からスタートした都立初の小学校であり、なおかつ、附属小学校の誕生により、公立初の小中高12年間の一貫教育校が誕生したわけですから、私もワクワクしながら出かけていきました。
ただ、それ以外にどうしてもお邪魔したかった理由があります。
それは、附属小学校の土地が、もともと本園が1954(昭和29)年に学校法人立川学園 立川短期大学の附属幼稚園としてスタートした際に使っていたからです。立川短大は1959(昭和34)年に東京都への移管が決定され、現在の東京都立大学につながっていくわけですが、その際、幼稚園は過去も現在も「都立」はないため、廃園の予定でした。しかし、当時の保護者たちが存続を願い、その声を受けて、立川学園の理事者が有していた現在の土地に1961(昭和36)年に移転・独立し、今日に至るわけです。
こうしたご縁もあり、立川国際中の前身である東京都立北多摩高校のグランドであった時代から、この土地を毎年、本園の運動会や散歩などでも使わせていただきました。ですから、愛着があるわけです。まぁ、“片思い” みたいなものですが・・・。
そんな思いを潜ませながら、校内を見させていいただきましたが、最新の設備に驚くとともに、施設内の配置やレイアウトがとてもよく考えられていることがわかりました。本当に素晴らしいものでした。
今後、この校舎で展開される豊かな一貫教育を通して、国際化の時代を自ら切り拓く人材が育っていかれることでしょう。在園児のお兄ちゃんたちも在学していますから、楽しみにしたいと思います。
冬にもオバケは出るようです
A「そうで~す。オバケで~す。」
B「オバケで~す。」
A「本当は空を飛んでいま~す!」
B「いま~す!」
二人は言葉も動作も息ぴったり!
A・B「ヒュ~~~~!」
しっかり、私を怖がらせてくれました。
B「でも今は見えないからね~。」
日中だからでしょうか・・・、宙を舞いながら、怖がらせているわけですが、人間の私には“見えない”設定のようです。
A「だけど、影は歩けるのね!」
B「そうだよね~。」
正門の影が伸びているところを見つけ、そこだけは地上を歩けるようです。
こんなふうに、二人はウソコを楽しみながらも、時々、素に戻り、設定を確認していました。いわゆる「設定語」を織り交ぜながら、ウソコの世界を楽しんでいるわけです。
3歳児くらいですと、変身すると、なりきったままであることが多いのですが、5歳児くらいになると、見立てた役と素の自分を上手に行き来し、遊びのふりやストーリーをふくらめていきます。「虚」と「実」を明確に分け、遊びを深めているわけですね。「設定語」の登場はそのバロメーターと言えるでしょう。
でも、どうして、こんな冬場にオバケをイメージしたのでしょう・・・?疑問が解けない私は“ヤボ”とは思いましたが、あえて二人に聞いてみました。
すると二人は「だってね~。ほらっ~」とお日様を背に、長く伸びた自分の影を見ながら、ヒラヒラと舞ってくれました。
なるほど!確かに、冬場は影が長~くなりますよね。その長~い影がオバケを連想させたようです。本当に子どもって自由ですね!素晴らしい!!!
「ごみゼロ運動」を実施!
実施場所は「立川市曙三第二公園」です。通称「あひる公園」として、本園の子どもたちも降園後などに大いに利用させていただいている公園です。保護者の方々は朝9時にお子さんを登園させた後、ゴミ袋等を持参し、公園の隅々までキレイにして下さいました。本当にありがとうございました。また本日は、在園児のお姉さんも小学校が代休とのことで一緒に参加してくれました。本当に感謝です。
「あひる公園」は、この地区では比較的広い公園で、遊具も大小のスベリ台やブランコ、ジャングルジム、グローブジャングル、雲梯、登り棒などがあり、子どもたちに人気の公園です。これからも、気持ちよく利用させていただけるよう、遊具の正しい使い方はもちろんのこと、丁寧な後始末も心がけていきたいですね。「ごみゼロ運動」は、その良いキッカケづくりとなることでしょう。
「人形劇サークル」、お誕生会で発表!
ただ、年に数回、教師劇に代わって、サークル活動を楽しむお母さんたちがお祝いの気持ちをこめ、日頃の成果を発表してくれます。11月は「人形劇サークル」のみなさんでした。
出し物はパネルシアターと人形劇。パネルシアターの演目は「とんとん とめてくださいな」、人形劇は「ぞうくんのさんぽ」でした。「人形劇サークル」は、これまでも地域の児童館などで公演実績のあるグループです。人形の操作はもちろんのこと、セリフ、ナレーション、効果音など、上手に分担し、担い合われていました。本当に素晴らしいチームワークでした。
もちろん、子どもたちも大喜びでした。今後、お面をつけたものだけではなく、人形を使った劇ごっこも見られるようになるかもしれませんね。楽しみにしましょう。
「下の名前」って?
ただ、今日のAちゃんはちょっと寂しさを感じており、大人に一対一でかかわってもらいたかったようです。そこでしばらく相手をしてあげていました。
そんな中、クラス担任が保育準備のため、事務所にやってきました。Aちゃんは一緒に遊びたくなったようで、担任が事務所の2階に教材を取りに行っても「○○先生!○○先生!」と呼び続けていました。本当に担任が好きなのですね~。2学期末も近づく中、信頼関係も高まっているということでしょう。とても良いことだと思います。
ただ、本園の預かり保育は担当教員がいます。正規の保育時間を終えると、クラス担任は保育の振り返りや、明日の準備を行う必要がありますので、保育の交代は必要不可欠です。しかし、幼い子どもは切り替えられないことも多いもの・・・。そこで「○○先生!」の連呼となったわけです。
私はAちゃんが落ち着き、気持ちが切り替えられればと思い、「Aちゃん、○○先生の下の名前、知ってる?」と聞いてみました。物事を考える機会を持つと落ち着きますからね・・・。
ところが、Aちゃんは「下の名前?」とピンときていない様子。「そう、下の名前。○○先生は知ってるけど、下の名前よ!」と繰り返し聞いてみると、Aちゃんはイスの下をのぞき込み、「下の名前・・・??」と言い出しました。その姿を見て、思わず吹き出してしまいました。(Aちゃん、ごめんなさい)
どうやら「下」という言葉に反応したようです。こちらは「姓」ではなく「名」を聞いたつもりですが、Aちゃんには「下の名前」という聞き方では理解できなかったようです。大人同士であれば、当たり前に通じ合う会話も、幼い子ども相手では成り立たないことも多いもの。今後も気をつけていかねばなりませんね。反省!反省!
(あっ、そうそう、Aちゃんはその後、自分から気持ちを切り替え、預かり保育の部屋に戻っていきましたよ。)
楽しかった「わんぱくまつり」
ただ、本園では工作課題を教師が一方的に提示し、「見栄えの良い作品」を作らせることはしていません。子どもが遊びの中でつくりたいものを見つけ、自分らしく工夫していくこと。また、お友だちとイメージを共有し、協力していく姿などを大切にしています。
こうした中、「わんぱくまつり」当日に向け、5歳児は木工でのお家づくり、3・4歳児は段ボールを使った御神輿づくりに取り組みました。
そして「わんぱくまつり」当日は、5歳児は主にお父さんと木工製作、3・4歳児は主にお母さんと空き箱製作を楽しみました。親子製作の間、5歳児のお母さん方は手芸で当番バッチ、3・4歳児のお父さん方は木工でテーブルを作って下さいました。それぞれ、生活・遊びの中で使えるものです。
こうした体験をきっかけに、園生活はもちろんのこと、家庭でも身近な素材を使って「つくる」ことの楽しさが広がってくれるといいですね。期待しましょう!!
木工、はじまる!!
木工活動はこの時期、導入する本園独特の取り組みで、今年で35年目を迎えます。
きっかけは、5歳児が段ボールで作った遊び場を「残したい」「明日も続きをしたい」と言い出したことでした。残してあげたいのやまやまでしたが、室内スペースには限りがあります。「じゃあ、外は?」と言い出す子どももいましたが、外では雨が降れば段ボールは朽ちてしまいます。そこで思いついたのが木でつくることでした。
木工活動に取り組んで見ると、材木を運ぶことや、ノコギリでカットすることひとつとっても一人ではできません。自ずと「協力」が生まれました。5歳児の保育では、より多くの人数で力を合わせることの喜びを感じたり、かかわり方の手段を身につけてほしいと考えていただけに、木工活動は絶好の機会となったわけです。
説教がましく「協力しなさい!」と求めるよりも、自主的・意欲的に取り組む活動が、必然的に力を合わせる内容を持っていることが重要なのだと思います。今年の子どもたちも、こんな感覚を味わってくれるといいですね。
パンづくりを学ぶお母さんたち
落ち葉でお絵描き
そうした中、よく乾いた落ち葉を保育者が部屋に集めておくと、子どもたちは画用紙に貼り合わせ、思い思いの表現を楽しんでいきました。
例えば、3歳児のAちゃんは落ち葉の色や形の違いを踏まえ、画用紙に並べていきました。美しくデザインした、と言えるでしょう。また、同じく3歳児のBちゃんは落ち葉を髪の毛に見立て、構成した後に、目や口などをクレヨンで描いていました。今日のBちゃんは両脇で髪を結んでいましたから、自画像を描いた、ということでしょう。本当によく似ています。
保育者に「貼って!」とリクエストした子どもたちは「キレイでしょう」「かわいいでしょう」と壁面に掲示された自分の作品を私にも紹介してくれました。達成感に満ちあふれた表情がとても印象的でした。
さて、明日以降もどんな表現活動を繰り広げてくれるのでしょう。楽しみですね!!
子どもも井戸端会議?!
A「ピンクはどう?」
B「ピンクはねえ・・・」
A「無理か・・・」
B「アナならね~」
A「あ~、アナね。エルサとかは?」
B「う~ん、シンデレラもいいかな・・・」
A「ネックレス作る?」
B「プリンセスだもんね!」
これから遊ぶ役どころを決めかねているBちゃんを、Aちゃんが心配し、声をかけているようです。ごっこ遊びの役どころが、子どもにとっていかに重要か・・・、改めて気づかされました。子どもは本当に「真剣」に遊んでいるのです。
また、話している雰囲気もおもしろかったです。
根を詰めて話す、という感じではありません。もちろん、テキトーでもありません。石けんをつけながら・・・、手を洗いながら・・・、手を拭きながら・・・など、全て「~ながら」のやりとりです。あっ、「ながら」って悪い意味になりますね・・・。そうではなく、互いに自然体で会話ができている、という意味です。気が合う二人だからこそのやりとりだったのでしょう。我々も見習いたいものです。
そうそう、手を洗い終わったら、二人は仲良く手をつなぎ、保育室に戻っていきました。これから、どんな遊びをするのかな?楽しみです。
おいも、大収穫!
(今年は暑く、生育も早いようです)
場所は矢川駅から歩いて20分ほどのSさんの畑。ですから、園から西国立駅まで歩き、南武線に1駅乗車し、出かけたわけです。
ちなみに、以前は園から徒歩5分ほどの畑でしたので、全園児で出かけることができましたが、今は5歳児と4歳児にしぼっています。
その分、出かけた子どもたちは、お留守番の3歳児の分まで掘ってこよう、と張り切ってくれました。結果、460個も大きく、おいしそうなサツマイモ(品種は「紅はるか」)が収穫できました。帰り道のリュックサックはとても重そうでしたが、みんな頑張って持ち帰ってきました。
さて、お家でどんな料理に変身するのかな?
そうそう、園にも少し残し、焼き芋にする予定です。しばらく干し、甘さが増した頃に焼いていこうと思います。
消しゴム ハンコ ワークショップ
ちなみに専用のインクを使い、アイロンをかけると布地にも定着するとのこと。オリジナルのTシャツやランチョンマットなどもできそうですね。とってもステキです。
今年は新型コロナウイルスが5類に移行したことで、サークル活動に加え、こうした企画もたくさん取り組まれています。趣味や特技を披露し合うことはもちろんのこと、親御さん同士の交流、友だちづくりにもつながるようです。これからも楽しみにしたいと思います。企画して下った皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
知ってるつもり?!
(本園前の道路は道幅が狭く、大きなバスの駐停車はできまませんので・・・)
大きなケガもなく、人数確認もバッチリ。あとは忘れ物を確認し、お母さんたちが待つ園庭に戻るだけ・・・と思っていたら、3歳児のAちゃんの帽子が見つからないとのこと。一大事です。
Aちゃんによれば「オレンジのところにかけた・・・」とのこと。座席のヘッドレストにはオレンジ色のカバーがかかっており、そこにかけたということは、座席背後のフックか、ドリンクホルダーにかけたまま、ということでしょう。
ただ、先生たちも探したものの見当たりません。私も運転手さんと一緒に座席下までくまなく探しましたが、まったく見つかりません。
“もしや、公園に落としてきた?でも待てよ。公園内で身支度をし、バスが待つ駐車場に向かう時は帽子をかぶっていたぞ・・・。荷物を置いていた広場も忘れ物がないか、くまなく確認もした!だとすると、やっぱりバスの中?でも、見つからない・・・”いろいろ思いを巡らせましたが、無い物は無い。
お母さんに状況説明、そしてお詫びをし、ご了解いただいたものの、片付けが一段落したら、やはり野川公園に探しに行こう、と考えていました。
すると、Aちゃんのお母さんが帰り際、以前、座席カバーに帽子を入れ込んだことがあった、との情報をくださいました。さっそくバス会社に電話し、調べてもらうと、なんとオレンジ色のカバーの中に帽子があったとのこと。すぐにバス会社に取りに行き、ようやく一件落着。本当にホッとしました。
エッ?いったい何の話をしているのかって・・・。それはですね・・・。いまだに、子どものことがわかっていない、ということです。
「オレンジのところにかけた」との言葉をそのまま捉え、目に見える範囲しか探さなかった私たち、いや私!
小さい子どもたちが大人とは異なる世界で生きている存在であることを忘れていました。子どもの発想や振る舞いは、大人の想像をはるかに超えるものなのに、それを実感していない。本当に反省です。頭と心を柔らかくしていかないと、子どもたちともズレるだけですね・・・。気をつけていきたいと思います。
野川公園遠足パート2
初めて来た3歳児は、5歳児にリードしてもらい、小さい山がある広場にやってきました。
園から持ってきた段ボールを使い、さっそく山すべりを始めると、歓声をあげ、何度も挑戦していました。腹ばいや後ろ向きなど、滑り方も工夫していました。
その後、4歳児からドングリがたくさんある場所を教えてもらいました。行ってみると、あるは、あるは・・・!!、まるで“ドングリの海”といった感じ。しかも、風が吹くと“ドングリの雨”まで降ってきました。子どもたちは牛乳パックで作った入れ物にたくさん集めていきました。これは良いおみやげになったはずです。
ドングリ集めが一段落したのが11時10分頃でしたが、この頃から「お腹がすいた!」の大合唱。今日はとても早起きしましたから、当然のことですよね~。そこで、少し早めのお昼にするため、最初に荷物を置いていた広場に向かいました。
食後は広場近くに切り株がたくさんあることを見つけ、登ったり、飛び降りたり・・・といったダイナミックな遊びが展開されました。もちろん、男の子だけなく、女の子だって挑戦しました。切り株の上は見晴らしも良く、とても気分が良いようです。仲良し2人組も、心地よい時間を共有していたようです。本当に楽しそうでした!良かった!良かった!
野川公園への遠足
キンモクセイの思い出
この時期になると、私は保育者になりたての頃を思い出します。それはちょっと苦く、そして情けない思い出です。
今から40数年前、私は千葉県内の幼稚園で初めてクラス担任になりました。それ以前も別の幼稚園・保育所に勤務していましたが、クラスを持つことはできませんでした。
担当したクラスは2年保育4歳児42名。ちなみに、この頃はまだ4歳児入園、つまり2年保育が主流でした。また40名超のクラスも珍しくありませんでした。
このクラスにAちゃんという、おとなしく、あまり目立たない女の子がいました。ただ、入園当初はもちろんのこと、1学期、そして2学期明けも手を煩わせることはなく、私も特に気にしていませんでした。
そんなAちゃんが、一人でキンモクセイの花をひろっている姿を見かけました。
「いい匂いだよね。たくさん集めてね!」
私がそう声をかけると、Aちゃんが「お母さんに会いたい」とつぶやきました。思わず「エッ?」と聞き返すと、Aちゃんは「お家に帰りたいの・・・」とシクシクと泣きながら、訴えてきました。
私としては青天の霹靂。
“どうして今頃・・・”
“今まで、一度もそんなこと言わなかったじゃない・・・“
“園に慣れていたんじゃないの・・・”
正直、かなり戸惑いました。
でも、Aちゃんを慰めるうち、今まで一対一で関わってこなかったことに気づきました。だからこそ、彼女の本当の気持ちにも気づいてあげられなかったわけです。本当に申し訳ないと思うとともに、いかに保育者として未熟であるか、ということにも気づかされました。
思えば、関わりやすい子、手を煩わせる子への対応ばかりで、それ以外の子どもへの関わりは、二の次三の次になっていました。言わば「目立たない子=問題のない子=だから進んで関わる必要なし」と考えていたわけです。本当に恥ずかしい話です。Aちゃんは「それではダメだよ」と気づかせてくれたわけです。キンモクセイの香りがただよう頃になると、そんなAちゃんを思い出すのです。Aちゃんの姿とキンモクセイが重なっている、と言えるかもしれません。
その後、Aちゃんとは改めて個別的な対応を通して、信頼関係を築いていきました。5歳児に進級する頃には友だちもでき、私に軽口を言ってくるようにもなりました。
問題が生じてから対応するのではなく、日頃から子どもの内面に寄り添うことを大切にすべき、という保育者の基本姿勢を学ばせてもらった体験のひとつでした。
未就園児も走りました
ゴールにはささやかなプレゼントとして砂場セットを用意させていただきました。ゴールを目指して一目散に走るお子さんもいれば「お母さんと一緒がいい・・・」というお子さんもいましたね。本当に一人一人、いろいろな表情を見せてくれていました。来年、入園されるお子さんもいらっしゃるかもしれません。今から楽しみにしたいと思います。
そうそう・・・。残念ながら、運動会当日に別件があり、参加できなかった方。プレゼントも多少残っております。園見学にいらした際、遠慮なく、お声かけください。
楽しかった運動会
特に、1周約60mのトラックを駆けめぐる5歳児のクラス対抗リレーは、皆様の応援もあり、普段より1.5倍くらいの速さで競い合っていました。
エッ?タイムを計ったのか?って・・・。それはね・・・。
でも、一人一人の走りはとてもダイナミックかつスピーディであったことは間違いありません。バトンタッチも乱れることなく、スムーズに受け渡していました。運動会当日の独特の雰囲気が、普段以上の力を発揮することにつながったのだと思います。運動会の花形、と言ったところでしょうか。
でも、待てよ・・・。5歳児のリレーだけが花形、というわけではありませんよね。
例えば、4歳児の「鉄棒で遊ぼう」や3歳児の巧技台や梯子・一本橋を使った「遊園地で遊ぼう」などもステキでしたよね。
広い園庭のど真ん中で、一人ずつ、自分なりのやり方で鉄棒で前回りをする。遊園地に見立てた巧技台や梯子・一本橋を登ったり、渡ったり、飛び降りたりする。その姿を、応援席の子どもたちや保護者全員が静かに見守り、無事終えたタイミングで拍手が起こる。格別な時空間が参加者全員によって創られた、と言えるかもしれません。まぁ、その場にいるからこそ、感じられたものかもしれませんが・・・。
こんな楽しい一日を過ごした子どもたちは、休み明け「また運動会やりたい!」と言い出すことでしょう。勝負に負けた種目は、リベンジに燃えているかもしれません。こうして「子どもの運動会」はまだまだ続くのです。
いよいよ運動会です
ウソコとホンコ
私は「ギャングコウモリ」という悪役。
運動会の練習を終え、帰宅する赤トンボの子どもたちを待ち伏せし、捕まえて日干しにした後、紅茶にして飲んじゃおう、という算段。本当に悪いやつですね・・・・。
ところが、最後は運動会の練習で力を合わせることを学んだ赤トンボの子どもたちにやっつけられます。言わば勧善懲悪のお話ですね。毎年、この時期になると「読んで!読んで!」と大人気になる作品です。私も気合い入れて、悪役に徹しました。子どもたちも喜んでくれたと思います。3歳児などは誕生会後、赤トンボのお面をつけ、ごっこ遊びも楽しんでいましたからね・・・。
気を良くした私は、トンボごっこしていた3歳児に「ギャングコウモリだぞ~!」と声をかけました。
すると、担任から「園長先生やめて!マズイ!マズイ!」と声がかかりました。どうやら、Aちゃんだけは、本気でギャングコウモリをこわがっていたようです。しかし、時すでに遅し。Aちゃんをしっかり泣かせてしまいました。本当にごめんなさい・・・。
幼児期、特に3歳児など幼児期前半では、ウソっこと本当のことが区別つかないことが多々あります。つまり「虚と実」を大人のように明確に区別することができないわけです。
例えば、ジュースさんごっこで泥水をコーヒー牛乳に見立て「飲んで下さい」と促すと、本当に飲んでしまったりするわけです。お子さんが小さかった頃、そんな失敗もあったな~という方も多いことでしょう。「良い」とか「悪い」とかではなく、こうした姿が幼児期前半の特徴です。心していかねばなりませんね。反省!反省!
えっ?その後、Aちゃんとは仲直りできたのかって?
巧技台を使った遊びには笑顔で参加していましたし、一本橋を渡りきった際は、自慢の笑顔を私に見せてくれましたから、大丈夫だと思います、たぶん・・・。しかも、ウソコの見立てがきくAちゃんのお友だちに、ギャングコウモリとしての私は、だいぶやっつけられましたので・・・。
そうだ!次に悪役が登場する際は、園長権限で○○先生にやらせちゃおうかな~!
えっ?その発想はハラスメント・・・。確かに・・・。では、あきらめて、次回も悪役に専念します!!
図鑑も友だち
ただ、図鑑も意外に興味を示すもの。
例えば、先日、暑さ負けを癒やすため、4歳児のAちゃんが事務所で体を休めていた時のことです。
「動物が好き」とのことで『動物図鑑』を貸してあげました。すると、大好きなイヌやネコのページをくい入るように見、名前・色・形など、新発見があるたびに「ちょっと、園長先生も見てよ!」と声をかけてくれました。
(事務仕事が進まないな・・・とは思いつつ、私も楽しくなったので、お付き合いさせてもらいました)
また、図鑑を見ているだけでなく、気に入った動物を絵にもしていました。事務所にクレヨンがなく、鉛筆を貸してあげたのが幸いしたのか、かなり細かく、丁寧に描いていました。4歳なのに、本当にすごいな~と思いました。きっと、図鑑がAちゃんの知的好奇心を刺激したのでしょう。
そうそう・・・、絵にはその日のお誕生会で見た教師劇『とんぼのうんどうかい』に登場した赤トンボも描いてありました。「動物」から連想したのでしょう。知的な関心と感性がつながって表現される幼児期の典型的な姿、と言えるかもしれませんね。いや~、幼児期って、本当にオモシロイですね!!
お月見を楽しむ
正門で「また来週!!」と降園を見送っていたら、4歳児の仲良しさんが「おうちに帰って、早くお団子をつくろうね~」と、うれしそうに手をつなぎ、帰ろうとしていました。
「えっ?お団子を“食べる”じゃなくて、“つくる”の・・・?」
「そうだよ。○○ちゃんちで!」
なるほど・・・、そういうことなのね。納得、そして感心しました。
「先生、ススキ、もらっていいですか?」
今度は5歳児のお母さんからリクエストをいただきました。
「どうぞ、どうぞ。手を切らないように、お子さんと一緒に上手にとってくださいね」
お月見の季節、ススキも買うと意外に高いようです。せっかく園庭にはえているのですから、大いに活用していただきましょう。
近年、文部科学省も学校教育に伝統行事を取り入れることを推奨しています。大切な姿勢だとは思いますが、本来、伝統行事は家庭や地域で祝うものです。まして「お月見」は夜の行事ですからね・・・。さぁ~て、今宵、どんな「お月見」を楽しんでいるのでしょうか。
あれっ?そんなことを言っていたら、雨が降り出してきました。残念!あとは、お団子。おいしくめしあがれ!
うちの運動会
こんなイメージで本園の運動会を見た方は、きっとガッカリされると思います。なぜなら、本園ではあらかじめ先生が種目を決め、当日を目指し、毎日毎日練習させることはしないからです。
「じゃあ、どうやって運動会するの?」
そうですね・・・。簡単に言えば、遊びから運動会でやりたいものを見つけ、先生と一緒に種目として整えていく、といったところでしょうか。
ちなみに、子どもは運動会シーズンだけ走るわけではありませんよね・・・。外に出て、目標物を見つければ、いつでも走り出したくなるものです。気の合った友だちとの間では、どっちが速いかを競うことも楽しみます。本園では、こうした体を動かす遊びや、競うことを楽しむ遊びを盛り上げていきます。
すると、運動会体験がある5歳児から「これを運動会でやってみたい!」という声があがります。こうした声を先生が上手にくみ取り、クラス内、そして園全体に広げていく中で、運動会を迎えるわけです。
さて、今年はどんな姿が盛り上がり、当日を迎えるのでしょう?今から楽しみですね!
幼稚園時代の思い出
私「幼稚園の頃のこと、覚えてる?」
卒園生「なんとなく・・・」
私「やっぱり、ジャングルまつりやわんぱくまつりかな?」
卒園生「いや~、そういうのは、あんまり覚えてないんですよね」
私「じゃあ、どんなこと?」
卒園生「モンキーブリッジやターザンロープで遊んだのを覚えてます。モンキーブリッジはユラユラして楽しかったな~」
私「なるほど・・・」
教師の習性でしょうか?本園独自の園行事こそ、思い出に残っているはず・・・と思っていましたが、卒園生の実感は異なるようです。
そういえば、以前、私が担任した卒園生も、こんな話をしていました。
「私がお弁当を落とした時、“大丈夫だった?”って、やさしく聞いてくれ、汚れた床をキレイに拭いてくれたのがうれしかったな~。叱られると思っていたけど、違ったから・・・」
私としても、まったく記憶がなかっただけに、とても意外な思い出話でした。なにげない日常にこそ、子どもの記憶に残る体験がちりばめられている、ということでしょう・・・。心しておかねばいけませんね!
「お泊まり会」大成功!!パート2
まずは起床時間。いろいろな時間帯の返事があったので、時間単位でまとめ、手をあげてもらいました。すると「3時」に8人、「4時」に6人、「5時」に7人・・・。思わず「本当ですか?」と言ってしまいましたが、まぁ、それだけ“早起きした”、また“眠れなくて大変だった”というアピールのようです。事実とはかなり異なりますが、気持ちはわかります。
次に夢の話も聞いてみました。半分くらいの子どもたちが「夢を見た」とのこと。これは信憑性がありそうです。
では、その内容は・・・?
A「火を見た」
B「花火」
C「幼稚園の周りをマラソンした」
D「カレー食べた」などなど・・・。
どれも、お泊まり会で体験したことばかり。本当に見た夢の話かどうか定かではありませんが、それだけ、お泊まり会が楽しかったということでしょう。良かった!良かった!
お家に帰っても、お泊まり会の話で盛り上がってるといいな~!!
「お泊まり会」大成功!!
ちなみに、他園では園外に出かけ、公共施設に宿泊するケースもあるようですが、本園は伝統的に園内に泊まります。慣れた場の方が、親御さんから一晩離れる不安もやわらぎますからね。
また「お泊まり会」は宿泊だけでなく、食事や着替え、入浴、布団敷きなど、身の回りこともすべて自分で行います。こうした生活行動も、毎日通っている幼稚園であれば、見通しをもって進められるでしょう。
もちろん、参加した全員が身の回りのことを完璧にこなしたわけではありません。保育者の支えも当然あります。
ただ、お泊まりの翌朝、元気に起床した子どもたちは「自分でできた!やれた!」といった実感をもってくれたはずです。こうした成功体験は自信を深めること、また意欲を高める基盤となるでしょう。近年、幼児期に育つことが求められている「自立心」にもつながるかもしれませんね・・・。
防災の話に聞き入る
さて、始園式では「防災の日」(今年は関東大震災から100年という節目)であることを踏まえ、地震や火災時の注意事項、特に避難時の心構えを「おかし」の語呂合わせで紹介しました。
ちなみに「お」は「押さない」「か」は「駆けない」「し」は「しゃべらない」です。すでに知っているお子さんもいたので(素晴らしいことです)答えてもらいながら、そのポイントを確かめました。3歳児も含め、みんな、とてもよく話を聞いていました。
「ちょっと難しいお話かもしれないけど」
こんな前置きが集中力をより高めたようです。
「お家に帰ったら、お母さん、お父さんともお話してね」
そんなお願いをして、始園式を終えました。さて、お家に戻って話題になったかな?
色水でジュース屋さん
「赤だけじゃなく、黄色もある!」
花の色の違いにも気づいた子どもたち。
「これならジュース屋さんができる!」
さすが年長さん、すぐに発想が広がります
色が混ざらぬよう、カップごとに丁寧に色分けし、ジュースを作っていきました。
「でもオシロイバナには毒があるんだよ」
物知りのAくんが教えてくれました。
すぐに確かめてみると、下痢や嘔吐を引き起こす可能性がある「トリゴネリン」という毒が白い粉が出る種の部分にも含まれているとのこと。ただ、口にしない限りは大丈夫なこともわかりました。
「ちょっと心配させないでよ~」
安心した子どもたちは、再びジュースづくりに専念。本当にいろいろなことを考え、工夫・共有していく5歳児。大したものです。
でも、ジュースをつくっているこの場所はお部屋の中なんですけど・・・?!
どうやら、この点は気になっていないようです・・・。まぁっ、いいか!
チャボの死に心を痛める
思えば「なな」は最年長のオスとして、常に群れをリードしていました。他のチャボたちは元気ですから、暑さやエサ不足で亡くなったわけではないようです。かなりの高齢でしたから天寿をまっとうしたようです。
「かわいそう~」
「お墓をつくってあげよう!」
預かり保育に参加していた子どもたちから、自然に声があがりました。特に、日頃、動物当番でお世話をしている5歳児は熱心でした。翌週、夏期保育が始まると、さっそくクラスメートにも伝え、みんなで冥福を祈っていました。
動物はかわいく、子どもも大人も癒やされます。ただ生き物ですから「死」は避けられません。「死」は悲しく、心が痛みますが、それゆえ「命の大切さ」に気づく機会にもなるのだと思います。うまく言葉にならなくても、チャボを見送った子どもたちには「畏敬の念」も芽生えつつあるかもしれませんね。
「クラゲ」の変身
例えば、先週は海や水族館に出かけた体験を思いだし、「クラゲ描き」を楽しむ姿が見られました。クラゲは形や色、動きなどがとても魅力的ですからね~!。年齢を問わず、何枚も描いていました。
そして今週に入ると、クラゲは頭や足などのパーツを切ったもので構成されるようになりました。見た目は画用紙に描いた時と同じように平らですが、子どもにとっては立体的なイメージになっているようです。ですから窓ガラスに貼り、海で泳いでいるようにしていました。
さらに、5歳児が「こうしたら、もっと海っぽい」と大きなペットボトルをクラゲにあててみました。すると、クラゲを貼った3歳児も「本当だ!本当だ!」と大喜び。そうそう、預かり保育は異年齢での保育なんですよね。同年齢では得られない刺激も、子どもたちのイメージや工夫を広げているようです。
水は友だち、水で友達
ただ、以前にも書きましたが(「夏だ!プールだ!水遊びだ!」2023.6.28)、水遊びと言っても、個人差や年齢差があります。
例えば、この日も、ためらわず首まで水につかっていたのは5歳児でした。3・4歳児は足までで、立って遊んでいました。
また、3・4歳児はジョーロで水をくり返し流すことを楽しんでいました。水の感触を楽しむ、いわゆる「感覚遊び」を楽しんでいました。一方、5歳児はグッズを様々なものに見立て、ストーリーを考えながら「ごっこ遊び」を楽しんでいました。こんな遊び方の違いもあるわけです。
ただ、3・4歳児も感覚遊びを楽しんでいるからと言って、一人遊びをしていたわけではありません。ジョーロの水がお友だちにかかっても、ニッコリしてくれると、安心して互いにかけ合う遊びを楽しんでいました。動作を共鳴し合うことは友だちになる第1歩と言えるものです。水が橋渡し役になったようですね。こうした異年齢のかかわりも広がっていくといいですね。。
1学期修了、感謝!!
感激!! 1学期間の成長
あれから3ヶ月ちょっとたち、1学期最後の誕生会で、今度は3歳児が初めて自分のイスを保育室に持ち帰りました。4月当初は、イスの持ち帰りはもちろんのこと、お弁当の準備なども年長さんにお手伝いしてもらっていた3歳児。でも、1学期の締めくくりの時期を迎え、自分のイスをゆっくり、そして、丁寧にお部屋まで運んでいきました。あっという間の1学期でしたが、3歳児もちゃんと育ってくれているのですね。
(まぁ、当たり前ですね。失礼!!)
これからもいろいろなことにチャレンジし、自分の世界を広げてくれることでしょう。自立に向けたパワーを感じさせてくれる姿でした。
「ジャングルまつり」で楽しもう!!
お父さんたちも学習、そして交流をしました!
前半45分は「話題提供」として、園長から「子育てスタイルの変化」「父親の家事・育児参加の実態」「父親への期待」の3点を話させていただきました。みなさん、とても熱心に聞いてくださいました。感謝です。
そして、後半45分は少人数に分かれての「グループディスカッション」。簡単な自己紹介の後、「話題提供」の感想や、父親としての「頑張りどころ」「悩みどころ」を語り合っていただきました。
各グループ、いろいろなやりとりがありましたが、やはりポイントは「円満な夫婦関係」。これなくして、お子さんも健やかに育つわけはありませんからね・・・。そのためにも、お母さんにとって、お父さんが「精神的な支え」になっていることも大切、といったことも共有できた気がします。
私も一人の父親として、大変勉強になりました。ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
夏だ!プールだ!水遊びだ!
保護者サークル、大盛況!!
今年は「人形劇」「ミニコミ誌づくり」「クラフト製作」「コーラス」「ピンポン」「わらべうた」が定期的に取り組むサークル活動です。このうち「人形劇」と「コーラス」は最も古く、1989(平成元)年度に発足したサークルです。また、ミニコミ誌は『マンマ』というタイトルで、今年で発刊32年目を迎えています。
強制ではなく、“この指と~まれ!”といった感じで集っているからこそ、長続きしているのでしょうね・・・!!
(これも一種の「SDGs」??)
そうそう、サークル活動だけでなく、単発で楽しめる講座やワークショップも企画されています。まもなくストレッチ講座もあるようです。まるで、カルチャーセンターのようですね~。いや~、親御さんのパワー、アイディァは本当に素晴らしいです。
考え、工夫して、作る・造る・創る!
今年は、みどり組が「お花屋」「飴屋」「おもちゃ屋」の3軒、きいろ組が「忍者ショップ」「アクセサリー屋」「絵本屋」の同じく3軒でした。
遊びの中で、毎日のようにつくることを楽しんでいる子どもたちは、工夫した物、魅力的な物が見つかると、売り買い遊びにつなげることがあります。こうした遊びの芽を担任が上手に支え、クラス全体での取り組みへと発展させたのが、今回の「お店やごっこ」だったわけです。
写真ではわかりにくいのですが、それぞれの品物は、とても“凝って”います。形はもちろんのこと、色合い、仕掛けや動きなど、様々に工夫し、ひとつひとつ丁寧につくりあげていました。
「同じ人が何回も買いに来た!」
「早く売れたから、うれしかった!」
「買っていた4歳さんが喜んでくれた!」 こんな声もたくさん聞かれました。この体験を通して、また一回り、成長してくれることでしょう。
「同じ」がうれしい
4歳児のAちゃんがうれしそうに見せに来てくれました。
しかし、大人の私から見ると、あまり、リスっぽくは見えませんでした。顔の部分は愛らしく作られてはいるのですが、リスらしい胴体や手足はありませんでした。
「リスなんだ・・・」
思わず、そうつぶやくと、
「そう!ホラッ、同じでしょう!」
Aちゃんはリスの尻尾を結んだ後ろ髪に重ねて見せてくれました。確かに、リスの尻尾はAちゃんの結んだ髪の毛と同じように見えました。
(写真ではちょっとわかりにくいかな~?)
4歳児は象徴機能(イメージと言い換えてもよいかもしれません)が強化される時期と言われます。そのため「見立て」の世界がとても豊かになります。
ただ、見立てにはきっかけも必要です。今日のAちゃんは結んだ髪の毛がお気に入りでリスの尻尾と同じように作れたことがうれしかったようです。
(もしかすると逆、つまりリスが先かもしれませんが・・・)
これからも、お気に入りと同じものを見つけ、イメージの世界を広げてくれるといいですね。
1年生、楽しいネ!!
その際、Aさんが私たちにお手紙を持ってきてくれました。(いや「カード」と言った方が良いかもしれませんね・・・)
校舎のイラスト入りで「がっこうたのしいよ」と題した上で、「じゅぎょうのじゅんばん(授業の順番)」「すきなきゅうしょく(好きな給食)」「いまはまてること(今、はまっていること)」の3本立てで、2ヶ月ほど経過した学校生活の様子を伝えてくれています。とても面白いレイアウトで感心しました。
もちろん、内容もとてもユニークです。
まず、校舎のイラストですが、就学した小学校の形とは違うようです。でもAさんは、校舎の真ん中が一段高くなり、時計があるものを描いています。おそらく、Aさんの学校イメージを表しているのでしょう。幼児期後半から小学校低学年期には「これはこう」といった概念が形成される、と言われます。その特徴は絵画によく表れます。「客観的な見方」までには至りませんが、自分なりに物事に共通する性質を抜き出し、概括的な意味を表すことができるようになるわけです。成長しているな~と感じさせる姿です。(今後、こうした「概念」を良い意味で破り、創意工夫を引き出す教育が小学校において展開されるはずです。たぶん・・・)
次にユニークなのは授業のことです。「じゅんばん」と書いてありますが、時間割の順とは少し異なるようです。もしかすると、好きな授業、あるいは印象深い授業を書き記したのかもしれません。「てすと(テスト)」はその代表的なものかもしれません。おそらく、テストは授業ではなく、その一部と思われますが、Aさんにとっては気になるものなのでしょう。「その気持ち、よくわかるな~」という方も多いのではないでしょうか・・・。
給食の話題も面白いですね。食べることが好き、という気持ちがよく伝わってきます。食事は元気に、そしてたくましく成長していくための基盤です。今後も、好きなメニューが増えていくことを期待したいものですね。
そして右端のコーナーに、今、夢中になっているものとして、一輪車をあげているのも印象的です。しかも、これだけイラスト入り。うまく乗れない時もあるでしょうが、それでも「はまっている」わけです。とっても楽しいのでしょう。「好きこそものの上手なれ」と言われるように、意欲は成長の原動力です。1年生に限らず、未来を担う子どもたちに対しては、結果よりも「やってみたい」という前向きな気持ちを大切にしてあげたいものですね。
「梅シロップ」完成
4月当初から梅の実ひろいに夢中だった子どもたちでしたが、担任と一緒に昨年度のことを思い出し、今年も「梅シロップ」づくりに挑戦しました。
集めた梅の実はなんと200個近く。5月中旬に氷砂糖を入れ、仕込みをしました。その後、水分が抜けていく様子にも注目しつつ、完成を心待ちにしていったようです。そして、約1ヶ月後、ようやくシロップ状になり、みんなでおいしくいただいたわけです。もちろん、小さいクラスにもおすそ分けしました。「ちょっと甘過ぎ」といった感じを受けた子どももいたようですが、おおむね「おいしかった!」との声。やっぱり、自分たちで収穫し、つくったものの味は格別ですよね。
近年、「食育」という取り組みが保育でも重視されていますが、立派な料理を作らせたり、食材の名称や栄養素を覚えさせること、と思われる向きもあるようです。でも、こうした、言わば「調理実習」や「栄養教育」は、小学校高学年に設定される「家庭科」で学習していくもの。「やらせればできる」からと、小学校教育の先取りをするのは考えものですね・・・。まぁ「食育」だけに限りませんが・・・。保育では「楽しく食べる」姿を育てていくことが大切だと思います。
エッ?「それって、どうやって育つの?」ですか・・・。ブログで語りきれることではないので、聞きたい方は声をかけてください。
自然物にいやされて
まぁ、お友だちが通常の保育時間に帰宅するのに自分は園に残る、というのは、やはり寂しく、そして悲しくなるものですよね。気持ちはよくわかります。
そんな時は担任がていねいに対応し、気持ちの切り替えを促しています。Aくんも担任のサポートを受け、お母さんの姿が見えなくなると、意外にケロッと落ち着きます。
“さっきまでの大泣きはなんだったの~”
思わず、そんなツッコミを入れたくなる日もありますが、こうした姿はAくんに限らず、幼い子どもにはよく見られるものです。その意味で、別れ際の涙はひとつの「儀式」みたいなものかもしれませんね。
ただ、この日は涙は乾いたものの、自分の部屋に入るのをためらい、砂場周辺でたたずんでいました。そこで、登園が一段落し、正門を閉じ、手が空いた私がアプローチしてみました。
でも、ストレートに「元気を出そう!部屋に入ろう!」では、気持ちの落ち込みを逆なでするだけです。
“どうしようかな・・・”と迷っていると、Aくんが「アリだ」とつぶやきました。見ると、たくさんのアリが列をなして歩いているではありませんか。虫の動きを見るのは私も好きなので、思わず「すごいね!」と叫んでしまいました。そして、事務所の前に大きな巣穴があることを思い出し、Aくんを誘ってみました。
「エ~、どこどこ?」
Aくんもすぐに反応してくれました。
その後は、2人でしばらくアリの巣穴探しを楽しみました。そして、Aくんの方から「楽しかった」と言い、自分から部屋に戻っていきました。
キッカケがあれば気持ちが切り替えられるのに、それがなかなか見つからず、ズルズルと落ち込みが続いてしまう。子どもだけでなく、大人でもあることですよね。そんな時、自然物がキッカケを与えて入れることは意外に多いもの。自然物特有の形態や色彩、そして動きなど、その魅力はなかなか言葉に表しにくいものですが、なぜか、心がいやされます。みなさんも、そんな体験ありませんか?!
大人が “なんとかせねば” と力むより、時に自然物に助けてもらうと、子どもも自分で落ち着きを取り戻し、前向きになっていくようです。自然は偉大です。
一応、妻はいるのですが・・・
最近、5歳児のAちゃんから熱烈なラブコールを受けています。「結婚して!、結婚しようね!」とプロポーズまでいただいています。担任に伝えてみると「私にも結婚したいって言ってますよ。“浮気”されたかな(笑)」との返事。ライバル出現、かな・・・?
思えば今年の4月から園長が交代し、子どもたちもさぞ戸惑ったことでしょう。しかも、以前のブログにも書きましたが(子どもからもらったプレゼントの意味:4/10)、私は男性、なおかつ老人の域に達している身です。親近感がわかないどころか「怖そう~」と感じることもあるはずです。こうした中、まだまだ一部の子どもではありますが、好かれつつあることは本当に有り難いことです。
ちなみに、先日もらったお手紙(ラブレターかな?)には「いつもかんばっているせんせい」と書かれていました。園長としての事務仕事だけでなく、大工仕事などの力仕事を見て、評価してくれたのかもしれませんね。
やはり、頑張っている姿は魅力的に映るもの。まだまだ老け込んでいる場合ではありませんね。頑張っていかなくっちゃ~!!
遊びを創る子どもたち
今、赤土のコートで熱戦を繰り広げる全仏オープンの再現か・・・??通りかかった保護者の方からも「おもしろいですね~」と大評判です。
きっかけは、4歳児Aくんの「ラケットを作りたい」という一言だったそうです。そしてラケットだけでなく、ボールも作ったことでテニスごっこへと発展したわけです。多いときは10人を越える4歳児が仲間入りし、楽しんでいます。
ただ、ボールも手作りですから、テニスボールのように弾みません。そのため、実際のラリーは羽根つきのような感じです。でも、それがまた楽しいようです。私の記憶をたどる限り、テニスごっこは初めてみました。これからも、興味・関心をフル稼働させ、新しい遊びを創り出してくれることでしょう。楽しみですね~。
「静かな表し」を見逃さないように・・・
さて、Aくんは何の用事があって、事務所にいる私を訪ねてきたのでしょうか・・・。
それは手にしたものを見れば、すぐにわかりました。風車を見せにきてくれたのです。
実は、前日、Aくんは「風車がない」と困っていました。帰りの時間が近づき、クラスメートがお部屋に入った後も、入室をためらうほど、風車が気になっていました。ただ、大泣きしているわけではありません。探し当てることを周りに強く求めるわけでもありません。しかし、表情は曇っており、風車が見つからないことへの不安、不満、戸惑いなどを持っていることは確かです。
そこで、私はAくんが納得するまで、一緒に探していこうと考えました。
まずは、Aくんのロッカーを確かめたところ、小さめの風車がありました。
私「風車、ここにあるじゃない。良かったね」
A「それじゃない。」
私「エッ、違うの?」
A「大きい、黄色の風車」
私「エ~・・・、どんなのだろう?」
担任や友だちに聞いてみたものの、誰も見ていない、わからないとの返事。でも、Aくんが「ない」と言っているのですから、「あった」はずです。そこで、園庭も含めて、Aくんが歩いた場所などを聞きながら、あちこち一生懸命探しました。しかし、結局、その日は見つかりませんでした。Aくんは、とても残念そうな表情のまま、降園することになりました。
「かわいそうなことをしたな・・・」
私も申し訳ない思いを抱えたまま、帰路につきました。
ところが、翌日、Aくんは黄色の大きな風車を手にすることができたのです。聞けば、担任があげたとのこと。
“なくしたのなら、自分で作り直せばいいだろう”
どこからか、そんな声も聞こえてきそうですが、それではAくんが感じている悲しさや、切なさは解消しない気がします。“甘い”と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、繊細、かつ、目立ったかたちで自己表現しないタイプのお子さんには、時に、丁寧にフォローしてあげることも必要だと思います。
こうした大人の寄り添いに安心感を感じれば、子どもも少しずつ、自分の力で問題解決していけるようになるでしょう。自立する姿を望みたいのはヤマヤマですが、幼児期はまだまだ手をかけてあげてよいことがたくさんあります。特に、内面に様々な思いを持ちながらも、それを前面に出すことに時間がかかるタイプのお子さんには、より丁寧な対応が求められます。Aくんの健気な姿から、保育者が大切にすべき姿勢を教えられた気がしました。
「ケンカするほど仲がいい」のちょっと手前
しかし、接近の仕方はやや波乱含み。言わば「ちょっかい」を出すことが多く、出された方とすれば痛い思いもするわけです。
ただ、一方的かというと、そうでもありません。時には、手を出された方が「やめてよ」という気持ちから相手の手を払いのけ、それが相手に当たることもあります。また「反撃」もあります。お互い、痛い思い、嫌な思いをするくらいなら、かかわらなければ良いのに・・・と思いますが、帰りの会などでも2人は並んで座りたがります。時には、膝の上にグタ~と横たわり、甘えているかのようです。きっと、お互いが気になるのでしょうね。そして、一緒にいたいのでしょう。
「だったら、仲良く遊べば良いのに・・・」
大人はすぐにそんなふうに思いますが、出会いはじめたばかりの関係はすぐにうまくはいきません。今後もきっと「波瀾万丈」でしょう。いずれ「ケンカするほど仲がいい」と言えるような関係になるといいですね。
やりたい時が遊び時
「縄跳びって、冬場の遊びでは・・・?」
どこからか、そんな声も聞こえてきそうですね。
確かに、遊びの中にはある時期になると流行るものがあります。正月時になると凧揚げ、羽子板、福笑いなどが流行る、といった例が代表的なものでしょうか・・・。季節感を背景に遊ばれるもの、あるいは、伝統行事(お祭りなど)にちなんで遊ばれるものも多いですから、時期ごとに遊びの風景が変わることはよく見られるわけです。
ただ幼児期は、大人や青少年ほど季節感や伝統行事を踏まえた生活はしていません。何より大切なのは、その時々の興味・関心です。時には「モノ」に、時には「ヒト」に、時には「コト(事柄・活動)」に刺激を受け、幼児たちは思い々々に遊んでいきます。ちょっと乱暴に言えば「季節なんてカンケ~ね~!!」といったところでしょうか。縄跳びを楽しむ5歳児を見ながら、そんなことを考えていました。
A「ね~、見てて。いっぱい跳べるよ」
そんな声をきっかけに、5歳児たちが私に前跳びを披露してくれました。ただ、張り切りすぎなのか、ちょっと急ぎすぎ、すぐにストップしてしまいます。
私「もう少し、ゆっくり跳んでみると長く跳べるかもね・・・」
B「え~、ゆっくりって・・・?」
そこで、長縄を使って遊ぶことを提案してみました。回転する縄をリズミカルに跳んでみるには「郵便屋さん」がよいと考え、子どもたちに挑戦してもらうと、すぐにうまく跳べました。4歳児の頃から経験があるCくんは66回も跳びました。大したものだと思います。
次に子どもたちに誘われたら「クマさん」「大波小波」「一羽のカラス」「青山の」など、4歳児の時に遊んできたのと新しい長縄遊びをミックスして楽しんでいこうかな・・・。もちろん、1人で挑戦する短縄遊びも頑張ってもらいましょう。
お友だちができたかな・・・?!
一輪の手押し車(一輪トロッコ)に砂場の道具を入れ、押しながら梅の木の下まで行く。梅の木の下では、一輪トロッコの前後をビールケースで挟む。駐車場?それとも基地かな?
落ち着く間もなく、Aくんが「Bくん、行こう」と声をかけました。
(すご~い!名前も覚えたんだ!)
そして、3歳児組前の砂場まで、2人で一輪トロッコを走らせていきました。走行はフラフラと蛇行気味ではありますが、それでも互いの動きは感じ取っているようです。Aくんが一輪トロッコをグッと押すと、Bくんも続いてグッと押す。互いの動作を見て確かめながら、交互に同じ動作を何度も繰り返し、一輪トロッコを押していきました。
明日以降、その日の「ご気分」でお互い、どのように遊ぶかわかりませんが、少なくとも、今日は楽しい時を共有したはずです。きっと「友だち」ってこんなふうに見つかっていくものなのでしょうね。
ちなみに、こうした姿、つまり、言葉でのやりとりよりも、互いの動作を感じ取り、波長を合わせる姿を「動作共鳴」などと呼ぶことがあります。こうした姿も幼児期の特徴のひとつです。
楽しいことを身体で感じ合う、また響き合う中で、お互い、気が合い、友だちになっていく。そんな姿が増えていくことも今後の楽しみになりそうですね。
おそうじって、気持ちいいね!!
念のため、聞いてみると「おそうじしてるの」との答え。
(確かにその通りです。失礼しました。)
でも、正直、意外だったので、さらに念のため「どうしておそうじしてるの?」と聞いてみました。
すると「砂がいっぱいで、汚れているからね」との答え。
(確かにその通りです。これまた失礼しました。)
私「よく気がついてくれたね。エライね。ありがとう。助かるよ。」
そう声をかけると、Aくん任せにするのも申し訳ないので、私もホウキを持ってきて一緒に砂をきれいに集め、砂場に戻していきました。
私「お家でもよくするの?」
A「うん。ゴミがいっぱいあるからね。掃除機もやるよ!」
(Aくんの親御さん、ごめんなさい。もちろん言葉通りに受け止めてはいませんからね。要は家でも進んで掃除していることを、Aくんなりに強調してくれたわけですよね~!)
さて、こうした姿は「進んで仕事をしている」と評価することもできるでしょう。ただ、Aくんは楽しく、そして、やりたいからやっているようでした。ちなみに、幼児期の子どもは大人ほど遊びと仕事、あるいは遊びと学習などを区別しません。ですから、Aくんにとって今日の掃除は遊びでもあったのだと思います。幼児らしさをよく表す姿だと感じました。
ただ、それ以上に感心したのは、廊下に砂があることが気になり、キレイにしたいと思った感覚です。こうした生活感覚は指示や指導で身につくというよりも、一緒に生活している大人(特に信頼し、大好きな大人。つまり親御さんですね)の姿から感じ取っていくものでしょう。こうした体験の積み重ねと、Aくんがもともと持っている素敵な感性が響き合う中で「キレイにした方が気持ちよい」、あるいは「気持ちよく生活したい」といった生活感覚が育まれているのではないでしょうか。本当に感心させられました。
B「お砂投げて、ごめんなさい」
掃除が一段落したところで、砂場で遊んでいた4歳児のBちゃんが私たちに謝りにきてくれました。
(もちろんBちゃんが派手々々しく、廊下に砂をまきちらしていたわけではないのですよ・・・)
どうやら、Aくんの姿がBちゃんの心を動かしたようです。Bちゃんの中にも素敵な感覚、豊かな感性が育まれているようです。いや~、本当に子どもってステキですよね。
それにつけても私の心根は・・・、あ~、もう・・・情けない、反省!反省!
遊ぶ時間が増えたからね~!
そんなビールケースを使い、初めて年少3歳児が遊び出しました。年長・中のおにいさん、おねえさんたちが遊んでいたのを横目で見て、「いつか自分たちも・・・」と思っていたのかもしれませんね。ビールケースをいろいろと組み合わせ、並べた後は、登ったり、渡ったり、飛び降りたりしていました。まだまだ体が小さい子どもにとっては、登り降りも一苦労ですが、先生の助けを借りることなく、自分の力でチャレンジしていました。こうした意欲的な姿を通して、たくましさも少しずつ増していくのでしょう。
ところでこの遊び、実はお弁当を食べた後に見られたものでした。3歳児は4・5歳児よりも早めに食事時間を設定していますので、食べ終えた後はしばらく園庭をひとり占めできるわけです。「時間」も大切な環境だ、ということですね。今、3歳児組はお弁当は週2回ですが、4・5歳児組と同じ回数、そして同じ保育時間になっていくと、遊びの幅も広がっていくことでしょう。今からとても楽しみです。
体験を印象深いものにしたいですね
A「四つ葉のクローバーを探したの!」
私「見つかった?」
B「なかった・・・」
私「それは残念でしたね・・・。なかなか、ないんだよね。見つかると幸せになれるみたいだけど・・・」
C「幸せか~」
しんみりとしたつぶやきが聞こえてきました。4歳児も人生を考えているのかな・・・??
D「でもコバンソウたくさん見つけた!」
E「私も見つけた!」
B「チョウチョもいた」
私「何色?」
B「白だった」
私「モンシロチョウかもね」
F「青いのいた」
私「それは珍しい。大きかった?」
F「大きかった」
私「もしかすると、アオスジアゲハかもね」
G「アオスジアゲハ?」
そんなやりとりをしていると、図鑑を手にして調べ始める子どももいました。自然とのかかわりを本当に楽しんでいるのですね~。素敵な姿です。
そんなやりとりをしているうち、ホワイトボードに草花や虫が書かれていることに気づきました。担任が子どもたちとのやりとりを通して公園で探したい、また見つかった草花や虫を書きだしたようです。せっかくの体験も、漠然としたままでは育ちにつながりにくいことも多いようです。体験したことを言葉、また年齢によっては文字で表していくと印象深いものとなります。こうした働きかけも大切にしていきたいものですね。
初めてのお弁当の感想は・・・?
(預かり保育「スキップ」ですでに経験済みのお子さんもいますが・・)
そこで何人かに食事を終えた感想を聞いてみました。
A「おいしかった!」
B「おいしかった!」
C「おいしかった!」
3歳児ですから答えは大変シンプルですが、この一言で満足感を味わえたことがよくわかりました。朝早くからお弁当をご準備された親御さん、本当に良かったですね。
ちなみに、食べたものも聞いてみました。
D「ごはんと、リンゴと、くらもの(果物のことでしょうね・・・)と、サクランボ」
E「おにぎりと、ソーセージと、たまごと、唐揚げ」
私「全部、好きなもの?」
D・E「うん!」
なるほど、好きな食べ物だらけ・・・。しかも、フルーツてんこ盛り?!そりゃあ、おいしいはずですよね。
食事の幅を広げたり、バランス良く食べることは大切にしていきたい姿です。でも、それは、この先の楽しみでよいでしょう。まずは好きな食べ物、食べきれる量を味わっていけばいいですよね。
F「楽しかった!」
「おいしかった!」という声が多い中、こんなFくんの感想も印象に残りました。もちろん、お弁当はおいしかったわけですが、それ以上に先生やお友だちと一緒に食べたことが本当にうれしかったようです。満足感だけでなく、充実感も味わった、ということでしょう。これからも、こうした実感を大切にしていきたいものです。
G「カレーうどん、食べた!」
私「エッ、カレーうどんがお弁当に入っていたの?」
G「お家で食べたんだよ」
一瞬、ビックリしましたが、どうやら、好きな食べ物を連想し、私に教えてくれたようです。こんな飛躍??も、3歳児らしいですよね。
もちろん初めのお弁当に戸惑いを見せ、箸が進まないお子さんもいました。それも自然な姿のひとつです。あせらず、ゆっくりかかわっていきたいと思います。
さぁ~て、明日以降はどんな姿を見せてくれるのか・・・楽しみですね。
「子どもの日」のお祝いをしました!
全園児が木陰に集まったところで、まず「子どもの日とは・・・」という話をしました。
「男の子のお祝いだよ」
「端午の節句って言うんだよ」
5歳児からは、そんな“耳より情報”も聞かれました。結構、知っているものなんですね~。立派!立派!(念のため、今は男女を問わず、子どもを祝う日ということも伝えておきました)
その次は「こいのぼり」を歌いました。初めての子どももいたので、ホワイトボードに歌詞を書き、ワンフレーズずつ、伝えていきました。「真鯉とは・・・」「緋鯉とは・・・」そんな説明もしていきました。あ~そうそう!園庭でしたので、伴奏はギターで行いました。ただ、数十年ぶりに弾いたので、ギターコードをうまく押さえられませんでした。“井上陽水世代が泣くぞ~~”と自分に言ってやりたいところですが、そこは子どもたちが歌声でカバーしてくれました。ありがとう!助かりました。
その後は、柏餅の準備ができるまで『こいのぼりの ぼうけん』という紙芝居を読んであげました。年長5歳児が作った手作りこいのぼりと重なるお話でとてもおもしろかったですよ。子どたちも本当によく聞いてくれました。ギターはイマイチでしたが、久しぶりの紙芝居は手応えあり!、と言ったところでしょうか。
そして最後はいよいよ柏餅。
「子どもの日になぜ柏餅を食べるのか・・・」
そんな話をした後、クラス毎にブルーシートにお引っ越ししてもらいました。ベンチのままでは、落としたときにドロンコになって悲しいですからね・・・。
「少しずつよくかんで、ゆっくり食べてね」
そんなことも伝えながら、いよいよ「いただきます」をすると、戸惑う姿も多少は見られましたが、おおむね、よく食べていたようです。
食べ終わったあとは、柏の葉を活用する方法も伝えてみました。例えば、柏の葉は大きいので、穴を開けるとお面になる、といった感じです。さっそく試してみる子どももいました。もしかすると、おみやげに持って帰ったお子さんもいるかもしれませね・・・。
ちなみに、今年は柏餅(わが園は昔から「御菓子司 立川 伊勢屋」さんにお願いしています)の到着が遅れ、ちょっと心配していました。ようやく食べ始めたのは、3歳児の降園直前でした。そこで、急遽、お迎えの親御さんにお子さんと一緒に食べていただくことにしました。みなさん、とても喜んで下さいました。“不幸中の幸い”といったところかな・・・?年中組・年長組の親御さん、ごめんなさい。
こんなふうに過ごした「子どもの日」のお祝いでしたが、3歳児もいる中で、結構、難しい話をしました。保育のプロなら発達を踏まえ、わかる言葉で伝えることが基本ですから、その意味では“失格”といったところでしょうか。でも、子どももわかるように・・・と意識しすぎると、時に「子ども扱い」しすぎて、退屈させてしまうような気がします。子どもだって、自分を「子ども扱い」せず、真剣に向かい合ってくれる大人の存在を求めているような気もするんですよね・・・。100%、話の内容はわからなくても、大人が真剣に語りかけることって、意外に子どもも受け入れてくれると思うんですよね~。みなさんは、どう思うでしょうか・・・??
では、みなさん、良いゴールデンウィークを!
4月の想い出
ただ、楽しいこと、うれしいこともたくさんありました。特に、子どもたちとのかかわりは、改めて、その魅力に気づかされることも多く、本当に楽しかったです。
こうした中、特に印象に残っているのは始園日の5歳児Aちゃんの姿です。
お母さんと手をつないで登園してきたAちゃんは、正門までは足取りが重い感じでした。
ところが、正門を抜け、新しい年長組の部屋の前に○○先生が居ることを見つけると、「あっ!○○先生だ!うれしい!」とお母さんから手を離し、走り出していきました。年長組になると担任が交代することは知っていたAちゃんですが、誰かがわからず、不安だったのでしょう。でも、前年も年長組であった○○先生が、そのまま担任であることを知り、不安は解消されたようです。私もホッとしました。
誰しも、環境の変化には不安を感じます。ただ、人は不安の中でも「こうなったら良いな・・・」と願いを持ちます。それが実現すると不安は期待に変わるわけです。Aちゃんも、きっとそうだったのだろうと思います。また、人は見通しが立つと前向きになります。Aちゃんの姿はそんなふうにも見えました。
5月以降も願いや期待が実現する生活、また、見通しが持て、意欲的に行動できる姿がたくさん見られるよう、保育を充実させていきたいと思います。
生まれてきてくれて、ありがとう!
でも、突然のお願いにもかかわらず、お話しくださる内容はいつも秀逸。
今年初めての4月の誕生会もそうでした。プライバシーがありますから、具体的な紹介はできませんが、お子さんが生まれた日の思いや状況、景色などをていねいに語ってくださいました。さらに、ここまで成長してくれたことへの感謝と今後への期待などなど・・・。もう、感激!感激!
私も二人の子どもを持つ親(もちろん成人して久しい年齢ですが)ですから、思わず、ウルッときてしまいました。(念のため言っておきますが、年を取ったから涙もろくなったのではありませんよ。たぶん・・・)
そして、子どもたちも本当によく聞いていました。素敵な時間だったな~。
あっ!5月以降の親御さんにプレッシャーをかけているわけではありませんよ。この点も、念のため、ことわっておかないといけませんね。どうぞ、マイクを向けられても嫌がりませんように・・・、よろしくお願いします。
年長さん、本当によく頑張りましたね!
8時45分、幼稚園を徒歩で出発し、西国立駅からJR南武線に乗車し、谷保駅で下車。その後、徒歩で城山公園や谷保天満宮を散策しました。帰路は再びJR南武線に乗車。14時頃に無事、幼稚園に戻ってきてくれました。
徒歩の行程はおおよそ5㎞。本当によく歩きましたね。たいしたものです!!
手には「カラスノエンドウ」など、おみやげもいっぱい。でも、一番のおみやげは、子どもたち一人ひとりの胸の内にある楽しかった思い出でしょう。夕飯時、そんな、おみやげ話が盛り上がったご家庭もあったかもしれませんね。
ただ、まだ5歳児ですから、体験のすべてを言語化してくれるわけではありません。だとすると、ゴールデンウィークになったら、お子さんと一緒に遠足のルートをたどり、その楽しさや頑張りを実感・共感していくのも一案かもしれません。お子さんも喜び、自信を深める機会になるかもしれません。お金をかけたレジャーも楽しいですが、こんな休日の過ごし方も悪くないかもしれませんね・・・。
一緒に遊んでいるように見えるけど・・・
A「ぶどうアイスです!」
B「いちごアイスです!」
売り子の子どもたちは、私に必死に売り込んできます。迷っていると、Cちゃんから「サーティーワンアイスもあります」と声がかかりました。見ると、確かにサーティーワンのカップにアイスが入っているではありませんか(別に宣伝をしているわけではありません。念のため・・・)。
また、Dちゃんからは「これもあります」とアイスコーンに入ったソフトクリームをもらいました。
私「エッ、くれるの?」
D「うん、あげる、あげる!」
どうやら、もうお金のやりとりはいらなくなったようです。
こうして、両手に持ちきれないほどのアイスをいただき、お庭のテーブルでおいしく食べました。(もちろん、ウソッコ=エアで食べたわけですが・・・)。
さて、このアイスクリーム屋さんごっこ、多いときは4~5人で遊んでいたようですが、みんなで協力し、役割分担しながら進めていたかというと、そうでもありません。このように、場所やテーマは共有しながらも、それぞれの思いで遊んでいる状態を並行(平行)遊びと呼びます。とかく大人は、同じ場所でほかの子どもたちと遊んでいると「一緒に遊んでいる」と捉え、「仲良く!」とか「力を合わせて!」などと声をかけがちです。
でも、4歳児の前半くらいまでは、まだまだ、自分の思いやイメージで各自が遊んでいることも多いのです。いわゆる「協同的な遊び」に至るには、もう少し時間がかかります。楽しみに待ちたいものですね!
初めての「イヤ!」
「Aちゃんが初めて“イヤ”って言ったんじゃない?」
担任に確かめると、確かにその通り、とのこと。
思えば、Aちゃんは入園直後から、ほかの3歳児が泣いている姿をよそに、とてもスムーズに園生活を進めていました。それだけに「イヤ!」はビックリしました。でも、Aちゃんも同じ3歳児。まだまだ、自分の思いを通したいことも多いはずです。それが10日目で、ようやく表現できたと言えるでしょう。
「もしかすると、これから、こんな姿が増えるかもね」
そんなことを担任と確かめながら翌日を迎えると、今度は、初めて親御さんと別れることを嫌がる姿が見られました。
「今まで我慢していた」というよりも、Aちゃんなりに「頑張っていた」のでしょう。3歳児としては、まわりがよく見えるお子さんですから、状況に応じたふるまいを心がけていた、と言えるかもしれません。こうした姿は、大いに認めてあげるべきだと思います。
ただ、これからは「我を張る」、つまり「自我の芽生えに基づく自己主張」も大いにしてくれることでしょう。本当に楽しみです。
ちなみに、入園時、落ち着いていたお子さんが、4月下旬頃から不安を見せる姿は意外に多いもの。アカデミックな概念ではありませんが、保育現場では「五月泣き」という言葉も使われてきました。要は、5月期になってから、急に不安定さを見せる姿を指すわけです。ゴールデンウィークや夏休み明けなど、長期の休みを終えた時期にもしばしば見られる姿です。
「どうして今頃泣くの・・・」
「なぜ、急にわがままになってるの・・・」
戸惑われる親御さんも多いと思います。しかし、これも幼い子ども時代にしばしば見られる姿なのです。
「子どもの成長は一本道ではなく、ジグザク、また、行ったり来たりなのだ!」
そんなふうに、お子さんを見てあげると、焦る気持ちも少し緩和されるかもしれませんね。心がけてみてください。
子どもも「疲れる」そうです。
すると、私の様子をずっと見ていた5歳児のAちゃんが・・・、
A「私だって、疲れるよ!」
私「エッどうして疲れるの?」
A「だって年長は動物当番もやるでしょう」
私「なるほど~」
A「朝の会もやるし」
私「そうなんですか・・」
A「お帰りの会もあるんだよ」
私「ヘェ~でも遊ぶときもあるよね~?」
A「遊びだって疲れるのよ、楽しいけど」
どうやら「疲れる」とは、やることがたくさんある状態の事を指しているようです。
子どもの言葉に「ハッ」とさせられることは多いですが、大人のような意味合いで使っているか・・・と言うと、そうでないことも多いようです。
「疲れる=忙しい=やることがたくさんある=楽しい=充実している」
もしかすると、こうした思いが交差しているのかもしれません。表に現れたものだけでなく、内面の思いにも目を向けたいですね。
ちなみに、私なども忙しく動きまわっている方が充実しており、やることがないと、かえって落ち着かない・・・といったこともあります。あっ・・・でも、これは「昭和の男」の発想だね。気をつけないと・・・。
泣いて別れたその後は・・・
「お母さんと帰る!」
登園時、まだまだ新入園児の泣き声が響いています。親御さんも後ろ髪をひかれる思いで、わが子を先生に委ねていることでしょう。そして、お迎えの際も親を見つけて泣いている。
「あ~ずっと園で泣いていたのかな?なんて、かわいそう・・・。」
そんな心配、不安を感じている親御さんも多いことでしょう。
ただ、日がたつにつれ、親御さんと別れた後、泣く姿は短くなっています。理由は先生が寄り添う中、好きな遊びが見つかり始めているからです。
例えば、Aくんはダイナミックにドロンコ遊び。Bちゃんは先生とサクランボあつめ。そうそう、Bちゃんは先生を仲立ちにし、Cちゃんともサクランボを見せ合っていました。友だちになれるといいね~。また、Dちゃんは入園前から顔見知りの4歳児のEちゃんが一緒に遊んでくれ、作ることが楽しくなっていました。
もちろん、日によって波はありますが、確実に楽しそうな姿は増えています。楽しみにしていきましょう!!
保護者負担を減らしていきたい!
「園に行く回数が多い」
ネットで時々見かける、本園に対するコメントです。
こうした見方が一人歩きすると、入園をためらう親御さんも増えるでしょうね・・・。
でも、本園も保護者負担を増やしたいわけではありません。大切にしたいのは、子どもを真ん中に置き、家庭と園が連携していくことです。
そこで今年から、負担が大きいとみられていた「家庭訪問」と、年度末にお母さん方に全園児の昼食を作っていただいていた「ママクックパーティ」を取りやめることにしました。
「楽しみにしてたのに~~ mmmm」
ご批判もあるとは思いましたが、思い切って決断しました。
ちなみに、「家庭訪問」は本来、家庭環境=養育環境の把握を目的とするものですが、今時、プライバシーの問題もあり、その把握は簡単ではありません。また、接待を求めているわけではないのに「お茶はどうする?」「お菓子は何出す?」と、やはり気になる親御さんもいらっしゃるようです。親御さんと担任がじっくり話す機会は園での「個人面談」で行えますから、ここで一度区切りをつけてもよい、と考えました。
「ママクックパーティ」も数日前から仕込みを行うなど、係になったお母さんは確かに大変だったようです。ウィズ・コロナの時代であることを踏まえると、全園児で食事する機会もまだまだ慎重になる必要もあるでしょう。(まぁ「ママクック」というネーミング自体が時代錯誤でもありますよね~。今から37年前に導入した際、私が考えた名称だったのですが・・・反省々々)
本園も「預かり保育」を初めて6年目を迎えています。共働き家庭の利用も少しずつ増えています。そうした方々にもお子さまを安心して委ねていただけるよう、従来のカタチに固執せず、今後も工夫していきたいと思います。
当たり前だけど5歳児と4歳児は違うよね・・・
すると、年長5歳児から、こんな声があがりました。
「困ってたら、教えてあげる!」
「手をつないであげる」
なるほど~! さすが年長さんですね。
新入園児の姿を思い浮かべながら、できる限りことをやってあげたいと考えてくれています。本当に頼もしいですね。
また、「先生に教えてあげる」といった声も聞かれました。
お世話をしてあげたいけど、自分の力だけでは解決できないこともあるだろう。だから、困っていたら、先生に知らせてあげたいんだ・・・。きっと、そんな気持ちだったのでしょう。トイレのことも心配してくれていたようです。確かにそうした状況もありますよね。本当によく考えているな~と感心させられました。これから起こることを幅広く想定し、対応を考えていけることも、5歳児らしい姿として認めていかねば、と思いました。
そんな時、年中4歳児の女の子から、こんな声があがりました。
「トイレにオバケがいるけど、こわくなくて・・・」
エッ?ちょっと待って!いったいの何の話をしているの?
一瞬、そう思いましたが、よく聞いてみると、トイレの話題や、困ることなど、私と5歳児のやりとりを聞く中で、連想したようです。ここに、4歳児と5歳児の違いがあると思うのですが、みなさんはいかがお感じでしょう?
個人差はありますが、5歳児になると、話の文脈を理解した上で、自分の考えを発言できるようになります。だから、クラス全体で話し合っても、テーマを逸脱せず、合意形成できることも増えます。ところが、4歳児はまだまだそうはいきません。
ただ、3歳児のように文脈に頓着せず、「ボクが~」「ワタシが~」と自己主張する姿とは異なります。話題となっているテーマや文脈に対する意識はあるのです。でも、発想や発言内容にはまだまだ自己中心性も残っているわけです・・・。この辺が4歳児の特徴を把握することの難しさ、そしてオモシロサなのかな・・・と思います。時折、黙って子ども同士のやりとりを見聞きしてみると、意外な発見があるかもしれませんよ。
子どもからもらったプレゼントの意味
お母さんによると、Sちゃんは新しい園長である私に不安を感じていたとのこと。私が男性ということもあり、「こわかったら・・・」という思いもあったようです。でも、初日のかかわりで不安は払拭され、親近感をもってくれたようです。そこで、お家で自分の名前を書き込んだ折り紙の作品を作り、プレゼントしてくれたわけです。(お名前は個人情報ですから、加工して消してありますが・・・)そうそう、プレゼントには、お母さんの直筆で「よろしくおねがいします」とも書いてありました。本当に感謝です。
私たち保育者は、子どもとのかかわりにおいて「受容」を大切にしています。ただ、私たちが「受け容れたい」と願っても、肝心の子どもたちが心を開き、私たちを受け容れてくれないと教育活動は成り立ちません。
ちなみに、近年、教育を「ケア」という視点から見直そうという動きがあります。そのポイントは、「ケアする人」は自分が関心をよせる「ケアされる人」に向け、その人のために何かをしてあげたいと思う。そして、「ケアされる人」は「ケアする人」の「ケア」に対し、何らかの反応を示し、受け容れる。この関係性こそが大切、ということです。逆に言えば、「ケアされる人」が「ケアする人」による「ケア」を理解・受容しない場合は、教育活動さえも成り立たない、ということです。保育の英訳は「Early Childhood Education and Care」であり、保育自体がすでに「ケア」の要素を内包しているわけですから、生かすべき視点と言えるでしょう。
時に「保育者=ケアする人」⇒「子ども=ケアされる人」と、その関係が一方通行になることがあります。場合によっては「ケアしてあげているんだから、先生の言うことを聞きなさい!」と、いわゆる「上から目線」に陥ることさえ見られます。とても、残念なことですね。私たちも気をつけなければなりません。そのためにも、子どもとの関係は双方向、つまり「保育者⇔子ども」として捉えていくことが大切になります。子ども側の気持ちを考えていくこと、つまり、子どもたちに受け容れてもらえているのかを自問自答していきたいと思います。Sちゃんからもらったプレゼントは、そんなことを考えるきっかけになりました。Sちゃん、本当にありがとう!!!
あっ、またまた長話になってしまいました。しかも、ちょっと理屈っぽい話にもなり、「読むの面倒!!」という声も聞かれそうです。ですから、この辺で止めておきます。なお、今回の話に興味を感じた方には、ネル・ノディングズ(立山善康ら訳)『ケアリング 倫理と道徳の教育-女性の観点から』(晃洋書房)をお勧めします。専門書のため、難解ではありますが、じっくり読むと「目からうろこ」間違いなしです。
動物ボランティア始動
年甲斐もなく、泣いた話
新入園のお子さんの中には、部屋に入ることや、親御さんとは別のイスに座ることをためらい、泣く姿が見られました。もちろん、ほかのお子さんも涙は流さないものの、不安がいっぱいだったことでしょう。そんな姿を見て、「入園させるのが早すぎたかな・・・」「来週から無事登園してくれるのかしら・・・」など、不安・戸惑いを感じた親御さんもたくさんいらしたことでしょう。
「入園」という巣立ちを応援したいと思いながらも、かわいいわが子、そして愛おしいからこそ、そんなにスッキリとは割り切れない。自分の子育てを振り返っても、親って、そんなふうに心が揺れるものではないか・・・と思うのです。それだけに、園が「大丈夫ですよ」「安心してお委ねください」と言ったところで、すぐには安心できないでしょう。でも、園として、立ち止まるわけにはいきません。一日も早く、親御さんが本当の意味で安心し、大切なわが子の教育を本園に委ねていただけるようにしていかねばなりません。でも、不安を見せるわが子を前にする親御さんに、どうしたら安心していただけるのか・・・。入園式の最中、そんなことをずっと考えていました。
そんな時、在園の年長5歳児(みどり組・きいろ組)と年中4歳児(もも組)の子どもたちが「チューリップ」を歌い出しました。昨日の始園式で「新しいお友だちが知っていそうな歌をプレゼントしてあげよう」と決めたものでした。大合唱というよりも、“しとやかな音色”を奏でる子どもたち。その歌声に感激・感動し、思わず涙が出てしまったのです。
「なんて素敵な歌声、そして頼もしい姿なのだろう。そうそう・・・、今日、わが子の入園を迎えたお母様、お父様。皆さんのお子さんもあと1年、2年したら、年下の友だちに、こんなふうに思いやりの心をもって、素敵な歌声を披露するはずです。だから、心配しないでください。期待してください。園も、ご期待に添えるよう、一生懸命頑張らせていただきます。」
そんな思いを巡らせていたら、年甲斐もなく、涙が出てしまったというわけです。皆さんに、うまく伝わると良いのですが・・・。
ダラダラ書きですいません。ブログって、もう少し簡潔に書くものなのかな~~??