ウソコとホンコ

 先のブログでもふれましたが、9月の誕生会にて教師劇『とんぼのうんどうかい』を子どもたちに観せました。
 私は「ギャングコウモリ」という悪役。
 運動会の練習を終え、帰宅する赤トンボの子どもたちを待ち伏せし、捕まえて日干しにした後、紅茶にして飲んじゃおう、という算段。本当に悪いやつですね・・・・。
 ところが、最後は運動会の練習で力を合わせることを学んだ赤トンボの子どもたちにやっつけられます。言わば勧善懲悪のお話ですね。毎年、この時期になると「読んで!読んで!」と大人気になる作品です。私も気合い入れて、悪役に徹しました。子どもたちも喜んでくれたと思います。3歳児などは誕生会後、赤トンボのお面をつけ、ごっこ遊びも楽しんでいましたからね・・・。
 気を良くした私は、トンボごっこしていた3歳児に「ギャングコウモリだぞ~!」と声をかけました。
 すると、担任から「園長先生やめて!マズイ!マズイ!」と声がかかりました。どうやら、Aちゃんだけは、本気でギャングコウモリをこわがっていたようです。しかし、時すでに遅し。Aちゃんをしっかり泣かせてしまいました。本当にごめんなさい・・・。
 幼児期、特に3歳児など幼児期前半では、ウソっこと本当のことが区別つかないことが多々あります。つまり「虚と実」を大人のように明確に区別することができないわけです。
 例えば、ジュースさんごっこで泥水をコーヒー牛乳に見立て「飲んで下さい」と促すと、本当に飲んでしまったりするわけです。お子さんが小さかった頃、そんな失敗もあったな~という方も多いことでしょう。「良い」とか「悪い」とかではなく、こうした姿が幼児期前半の特徴です。心していかねばなりませんね。反省!反省!
 えっ?その後、Aちゃんとは仲直りできたのかって?
 巧技台を使った遊びには笑顔で参加していましたし、一本橋を渡りきった際は、自慢の笑顔を私に見せてくれましたから、大丈夫だと思います、たぶん・・・。しかも、ウソコの見立てがきくAちゃんのお友だちに、ギャングコウモリとしての私は、だいぶやっつけられましたので・・・。
 そうだ!次に悪役が登場する際は、園長権限で○○先生にやらせちゃおうかな~!
 えっ?その発想はハラスメント・・・。確かに・・・。では、あきらめて、次回も悪役に専念します!!
2023年10月01日