おそうじって、気持ちいいね!!

 砂場脇の廊下を通っていたら、サッサッサッと音がしました。見ると、年長5歳児のAくんが、靴箱用の小さなホウキとチリトリで廊下を掃いているではありませんか!!
 念のため、聞いてみると「おそうじしてるの」との答え。
(確かにその通りです。失礼しました。)
 でも、正直、意外だったので、さらに念のため「どうしておそうじしてるの?」と聞いてみました。
 すると「砂がいっぱいで、汚れているからね」との答え。
(確かにその通りです。これまた失礼しました。)
 私「よく気がついてくれたね。エライね。ありがとう。助かるよ。」
 そう声をかけると、Aくん任せにするのも申し訳ないので、私もホウキを持ってきて一緒に砂をきれいに集め、砂場に戻していきました。
 私「お家でもよくするの?」
 A「うん。ゴミがいっぱいあるからね。掃除機もやるよ!」
(Aくんの親御さん、ごめんなさい。もちろん言葉通りに受け止めてはいませんからね。要は家でも進んで掃除していることを、Aくんなりに強調してくれたわけですよね~!)
 さて、こうした姿は「進んで仕事をしている」と評価することもできるでしょう。ただ、Aくんは楽しく、そして、やりたいからやっているようでした。ちなみに、幼児期の子どもは大人ほど遊びと仕事、あるいは遊びと学習などを区別しません。ですから、Aくんにとって今日の掃除は遊びでもあったのだと思います。幼児らしさをよく表す姿だと感じました。
 ただ、それ以上に感心したのは、廊下に砂があることが気になり、キレイにしたいと思った感覚です。こうした生活感覚は指示や指導で身につくというよりも、一緒に生活している大人(特に信頼し、大好きな大人。つまり親御さんですね)の姿から感じ取っていくものでしょう。こうした体験の積み重ねと、Aくんがもともと持っている素敵な感性が響き合う中で「キレイにした方が気持ちよい」、あるいは「気持ちよく生活したい」といった生活感覚が育まれているのではないでしょうか。本当に感心させられました。
 B「お砂投げて、ごめんなさい」
 掃除が一段落したところで、砂場で遊んでいた4歳児のBちゃんが私たちに謝りにきてくれました
(もちろんBちゃんが派手々々しく、廊下に砂をまきちらしていたわけではないのですよ・・・)
 どうやら、Aくんの姿がBちゃんの心を動かしたようです。Bちゃんの中にも素敵な感覚、豊かな感性が育まれているようです。いや~、本当に子どもってステキですよね。
 それにつけても私の心根は・・・、あ~、もう・・・情けない、反省!反省!
2023年05月17日