「ケータイ」を作ったそうです

 これまでも創意工夫し、遊ぶモノを自分で作り出してきた5歳児のAちゃんが、画用紙を折りたたみ、何枚も重ねたものを持っていました。
 A「ケータイだよ!」
 見せてもらうと、確かにいわゆる「ガラケー」と呼ばれる折りたたみ式の携帯電話のようです。“今時、ケータイ?”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、スマホになじめず、いまだにガラケーを使っている私としては、なんだかうれしくなってしまいました。
 しかし、Aちゃんの親御さんをはじめ、昨今の子どもが目にするものは、タッチパネル式のスマホですよね・・・。どうして、ガラケーなのでしょう・・・?おじいちゃん、おばあちゃんがまだガラケーなのかな・・・??
 そう言えば、以前のブログで(6/11ブログ「1年生、楽しいネ!!」参照)、幼児期後半から小学校低学年期には「これはこう」といった概念が形成され、その特徴は絵画などによく表れる、と書きました。写実ではなく、自分なりに物事に共通する性質を抜き出し、そのイメージで表現を進めるわけです。Aちゃんも、自分なりに概念化した「携帯電話」を表したのかもしれません。成長を感じますね~!!
 ただ、ケータイの中を見せてもらうと、画用紙を何枚も重ねているので、モニター画面は共通ですが、紙をめくるごとにプッシュ番号やアスタリスクが書かれています。おそらく、ケータイの機能をひめくり式に表しているのでしょう。
 このように、Aちゃんは外見、つまり「形態」は概念化したイメージですが、「機能」は実物に似せようとしているようです。幼児期後半になると、いわゆる「カタチ(形態)」だけでなく、製作物の「働き(機能)」にも目を向け、具現化しようとします。これも成長している姿です。
 製作というと、大人は見た目が本物らしいかどうかで評価しがちですが、子どもが生み出すものはそんなに単純ではありません。Aちゃんの姿から、改めて、気づかせてもらいました。

2024年01月29日