冬にもオバケは出るようです

 5歳児のAちゃんとBちゃんが、フリースの袖を伸ばし、ユラユラさせながら遊んでいました。“冬なのにまさか・・・”とは思いましたが「オバケ?」と聞いてみました。
  A「そうで~す。オバケで~す。」
  B「オバケで~す。」
  A「本当は空を飛んでいま~す!」
  B「いま~す!」
 二人は言葉も動作も息ぴったり!
  A・B「ヒュ~~~~!」
 しっかり、私を怖がらせてくれました。
  B「でも今は見えないからね~。」
 日中だからでしょうか・・・、宙を舞いながら、怖がらせているわけですが、人間の私には“見えない”設定のようです。
  A「だけど、影は歩けるのね!」
  B「そうだよね~。」
 正門の影が伸びているところを見つけ、そこだけは地上を歩けるようです。
 こんなふうに、二人はウソコを楽しみながらも、時々、素に戻り、設定を確認していました。いわゆる「設定語」を織り交ぜながら、ウソコの世界を楽しんでいるわけです。
 3歳児くらいですと、変身すると、なりきったままであることが多いのですが、5歳児くらいになると、見立てた役と素の自分を上手に行き来し、遊びのふりやストーリーをふくらめていきます。「虚」と「実」を明確に分け、遊びを深めているわけですね。「設定語」の登場はそのバロメーターと言えるでしょう。
 でも、どうして、こんな冬場にオバケをイメージしたのでしょう・・・?疑問が解けない私は“ヤボ”とは思いましたが、あえて二人に聞いてみました。
 すると二人は「だってね~。ほらっ~」とお日様を背に、長く伸びた自分の影を見ながら、ヒラヒラと舞ってくれました。
 なるほど!確かに、冬場は影が長~くなりますよね。その長~い影がオバケを連想させたようです。本当に子どもって自由ですね!素晴らしい!!!
2023年12月06日