泣くもんか!

 植木の剪定をしていると、3歳児のAくんが、一人で板登りに挑戦し始めた姿が目にとまりました。
 ただ、なかなかうまくいきません。
 ロープを握り、足をかけるもの、どうしても足が滑ってしまいます。
 “手助けしようかな・・・”
 そんな思いもよぎりましたが、Aくんが私に助けを求めているわけではありません。ですから、剪定作業をしながら、しばらく見守ることにしました。
 そんな中、Aくんが勢いあまって、転んでしまいました。ケガはなさそうでしたが、力強く登り始めた分、滑り落ちた際はきっと膝などが痛かったはずです。
 思わず、“大丈夫?!”と助けにいきそうになりましたが、その瞬間、Aくんと目が合いました。Aくんの目は痛さをこらえつつ、まだ頑張りたい!と言っているようでした。
 だからでしょう。Aくんは自分で目をこすり(たぶん、にじんだ涙をぬぐったのでしょう)、また板登りに挑戦し始めました。もし、私が声をかけていたら、どうなっていたのでしょう・・・。
 子どもが小さいほど、大人は守ったり、助けてあげることが大切な役目になります。ただ「小さな親切」が「大きなお世話」になることもあるようです。Aくんの頑張りをみながら、そんなことを考えさせられました。
 その後ですか・・・?
 残念ながら、その日は登り切ることはできませんでした。現実の生活はドラマのようにはいきませんよね・・・。
 でも、後日、ちょっとした手助けで上まで登れたんですよ。これからも、何度も失敗を重ねながら、いろいろなものに挑戦していくことでしょう。あたたかく、見守ってあげたいと思います。
2024年05月17日